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Virtual Router Redundancy Protocol(仮想ルータ冗長プロトコル・以下VRRPと略す)はインターネット上でのルーターの冗長化をサポートするプロトコル。
概要VRRPを使えば、「マスター・ルーター」と呼ばれる実際に稼動しているルーターに障害が発生した場合、直ちに「バックアップ・ルーター」と呼ばれる常時スタンバイさせている予備のルーターへ自動的に切り替えられて処理を引き継げるようになる。VRRPは、同じLANにつながる数台のルーターを仮想的に1台の仮想的ルーターとして扱えるようにする[1]。 VRRPはRFC 3768で定義された、同一サブネット内のデフォルトゲートウェイサービスホストの可用性を高めるため開発された非プロプライエタリな冗長プロトコルである。 IPアドレス仮想ルーターには共通で使える1つのIPアドレスを持ち、マスター・ルーターと同じにするか、べつのIPアドレスにするかは選択できる。しかし、仮想ルーターのIPアドレスをマスター・ルーターと同じにすると、マスター・ルーターの異常時にはtelnet等での接続が出来なくなるので、別にしたほうが利便性は増す。別にした場合は、IPアドレスが物理ルーターの2台分+仮想ルーター1台分の3つが使われる[1]。 適用環境VRRPはイーサネット、MPLS、トークンリング上で用いることが可能である。IPv6用のVRRPの開発も進んでいるが、こちらはまだ実用に耐える状態にない。VRRPはノーテル・ネットワークス、シスコシステムズ、ジュニパーネットワークス、華為技術、ファウンドリーネットワークス、 エクストリームネットワークス、3comなど多くのベンダのルータに採用されており、またLinuxやBSDでも使用可能である。 また、VRRPはルーティングプロトコルではないので、IPルートをアドバタイズしたり、他のルータのルーティングテーブルに影響を与えることはない。 プロトコル番号112番 VRRPの実装仮想ルータは”00-00-5E-00-01-XX”というMACアドレスを使用する。最後の”XX”部分はVirtual Router IDentifier(VRID) といい、ネットワーク内にある仮想ルータごとで違う。このとき仮想ルータの中でこのアドレスを使っている物理ルータはマスタールータ1つのみである。仮想ルータとして稼動している物理ルータ同士はマルチキャストアドレス(224.0.0.18)を使用して通信している。 各物理ルーターにはプライオリティがつけられており、マスター・ルーターは255番、バックアップ・ルーターは1番から254番の間であり、障害などによりマスター・ルーターからバックアップ・ルーターへステータス変更となったルーターには強制的にプライオリティ0が割り当てられる。これはバックアップ・ルーターからマスター・ルーターへのステータス変更を迅速に行い、また一度障害を起こしたルーターをプライオリティの高い(マスターに近い)状態に置かないためである。 マスター・ルーターの選定マスター・ルーターとなっている物理ルーターが落ちた場合、以下の手順で代替のマスタールータが選定される。予め定められた期間(アドバタイズメントタイマ、advertisement timer)の3倍の期間、マスター・ルーターからのアドバタイズのマルチキャストパケットが受けられなかった場合、マスター・ルーターが落ちていると判断してバックアップ・ルーターが起動し、仮想ルーターはバックアップ・ルーターの中から新たなマスター・ルーターを選定するプロセスに入る。このプロセスでもマルチキャストパケットを使用する。 この選定プロセスのときに、バックアップ・ルーターがマルチキャストパケットを送信することに注意する必要がある。それ以外にバックアップ・ルーターがマルチキャストパケットを送信するのは、仮想ルータ内の物理ルータに現状のマスター・ルーターから置き換わるような設定を行ったときのみである。バックアップ・ルーターの中で最も高いプライオリティ値を持ったものが、マスター・ルーターとなると同時にプライオリティ値は255に繰り上げられる。仮想ルーターのIPアドレスを引き継いだマスター・ルーターは直ちに自身のMACアドレスと引き継いだIPアドレスをARPパケットにしてブロードキャスト送信する。これによりMACアドレスとIPアドレスの新たな対応が同一セグメント内に伝達される。バックアップ・ルーターにおいてプライオリティが全て同一である場合、IPアドレスの数値が高いものがマスター・ルーターになる。切り替えは数秒程度で完了する[1]。 1つの仮想ルーターとして働く物理ルーターは全て1ホップの範囲内に収まっていなくてはならない。仮想ルータ内ではマスター・ルーターからバックアップ・ルーターへと定期的にアドバタイズメントパケットが流れているのは先ほど述べたが、この流れる間隔はアドバタイズメント・インターバルタイマーで調整できる。この間隔を短くすればするほど、ネットワークのダウンタイムを少なくすることができるが、マルチキャストのトラフィックが増える。 歴史VRRPは米Cisco社の保有するHSRP技術に基づいて規格化された。VRRPとHSRPの両者は似てはいるが互換性はない。新たに導入する場合は、業界標準のVRRPの採用が奨められる[2]。 参考文献関連項目
外部リンク
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