 この項目ではウェブブラウザについて記述しています。このソフトウェアの名前の由来である北欧神話に登場する神獣については スレイプニルをご覧ください。
Sleipnir(スレイプニル、あるいはスレイプニール)は、フェンリルが開発・配布している上級者向けタブブラウザである。略称はプニル。
概要
Sleipnirはバージョン1.xxの頃よりユーザーを増やし、日本国内におけるメジャーなタブブラウザのひとつとして認知されるようになった。
バージョン1.xxは柏木泰幸が個人で開発を行っていたが、2004年11月16日、家財道具と共にソースコードの盗難被害に遭い[1]、開発は中止となった。その後、2005年に柏木はフェンリルを設立、複数人による開発体制のもと新たなブラウザとしてSleipnir Ver.2をリリースした。
2.xxでは、多くの機能が初期状態でプラグイン化されており、ユーザーが必要に応じて有効・無効・追加・削除を行うことができる。また、画像や言語表記の多くをファイル形式で持つなど、ローカライズやカスタマイズを強く意識した設計がなされている。
ブラウザエンジンはInternet ExplorerとGeckoとを使い分け可能なシステムになっているが、Geckoへの対応は不十分であり、現在のところ機能はTridentレンダリングエンジンに偏っている。このため一般的にはIEコンポーネントブラウザに分類されている。
2008年10月31日、Sleipnir3の開発が発表され、Sleipnir 3 Alpha (Design Preview)が2ちゃんねる上でリリースされた。
バージョン1.xxと2.xxの違い
2.xxでの大きな変更点のひとつにBCGControlBarの不採用がある。バージョン1.xxではBCGControlBarを使用していたためメニューバーの項目にいたるまでGUIでの詳細なカスタマイズ設定が可能であった。バージョン2.xxではBCGControlBarが採用されていないため、GUIの提供されていない部分についてはユーザーが設定ファイルを自分で書き換え、所定の位置に配置する手順でカスタマイズを行う。この仕組みの違いから、カスタマイズの作業法、カスタマイズできる範囲は大きく異なっている。
2.xxは白紙状態からの開発であるため旧バージョンに劣る部分も多いが、その反面新規開発により旧バージョンを上回る部分も多い。機能の変更、廃止、カスタマイズ性や操作性の違いなどから、ユーザーの反応は「新機能により扱いやすくなった」とする声と「旧バージョンのほうが良い」とする声とで二分しており、現在も1.66をはじめとする1.xx系を好んで使用している者は少なくない。
Sleipnirの特徴(2.xx)
- 上級者のためのブラウザ
- 公式ページでも謳っている通り、上級者のためのブラウザであり、パソコンに精通していない初級者はインストールを推奨されない。そのような初級者のためにInternet Explorerからも違和感なく移行できる「Grani」が同社によりリリースされている。
- ダブルエンジン
- ブラウザエンジンをInternet Explorer(Trident)とGeckoのふたつに切り替え可能である。Geckoとの切り替え機能はバージョン1.60で実装されていたが、GeckoのプラグインはSleipnir本体とは別に入手する必要がある。
- RoboFormによるパスワード管理機能
- 専用のアダプタを組み込むことでSleipnirからパスワードマネージャRoboFormの機能を利用できるようになる。ただし記憶できるID/Passの数に制限があり、制限を解除するには有料版のRoboFormProを買う必要がある。また導入時にはID/Passを無制限に登録できるが、30日後には有料版を購入しない限り登録できる数に制限がかかる。
- カスタマイズ可能なメニュー
- XML形式のメニューファイルを書き換えることで、多数のメニュー項目をユーザーの好みに応じて変更できる。
- 検索バー、ページ検索バー
- 複数キーワードでのページ内検索、ハイライトに加え、検索に合致した行の抽出が可能。
- お気に入り
- メインに、独自形式のお気に入りまたはInternet Explorerのお気に入りを選択して使用できる。そのほか、複数ページをいちアイテムに記録するお気に入りグループ、携帯電話向けフルブラウザであるjigブラウザのお気に入りが使用可能。
- お気に入り内検索
- Favorites Editorではお気に入りに登録されたサイトを検索することが可能。
- Faviconの表示
- ページに設定されたFaviconがタブ、アドレスバー、お気に入り等に表示される。
- SmartSearch
- 選択部分のキーワード検索、Wikipedia検索、ハイライト、翻訳などを素早く実行できるユーザーインターフェースを持つ。
- SmartInstaller
- 追加機能やスキンなどをサイト上からワンクリックでインストール可能。
- マウスジェスチャー
- マウス右ボタンのドラッグによって、メニューを選ばずとも機能を実行させることができる。
- セキュリティ切り替え
- JavaScriptの有効・無効など、ページ表示に関するセキュリティ設定をワンクリックで変更可能。
- RSSリーダー
- RSSバープラグインがプリインストールされているほか、お気に入りにRSSを登録できるRSSダイナミックブックマーク機能を使用可能。
- 機能拡張
- スクリプトや追加プラグインによって機能を拡張することができる。追加プラグインには、ユーザスクリプト実行環境、リンク抽出機能、3ペイン型のRSSリーダーなどがある。
- スキン
- スキンの切り替えにより、ツールバーのデザインやメニューアイコンなどを変更可能。また、スキンはIE由来のコンテキストメニューにも適用できる仕様になっている。
- フレームスキン
- スキンの切り替えにより、フレーム部分や最小化、最大化、閉じるボタンなど、ブラウザの外観すべてを変更できる。
バージョンの変遷とダウンロード数(2.xx)
- 2005年6月30日 Sleipnir 2.00 アルファ版リリース。
- 2005年7月14日 Ver 2.00 beta1 リリース。
- 2005年8月2日 Ver 2.00 beta2 リリース。
- 2005年8月17日 Ver 2.00 beta3 リリース。RSSリーダープリインストール。
- 2005年8月29日 Ver 2.00 beta4 リリース。
- 2005年9月14日 Ver 2.00 beta5 リリース。
- 2005年10月4日 Ver 2.00 RC1 リリース。
- 2005年10月12日 Ver 2.00 正式版 リリース。
- 2005年10月17日 ダウンロード数が100万件を突破。
- 2005年11月16日 Ver 2.10 正式版 リリース。
- 2005年12月7日 Ver 2.20 正式版 リリース。
- 2005年12月13日 Ver 2.21 正式版 リリース。国際化ドメインに関するバグの緊急修正。
- 2005年12月19日 ダウンロード数が200万件を突破。
- 2006年1月25日 Ver 2.30 正式版 リリース。
- 2006年2月1日 Potable Sleipnir Ver 2.30 リリース。
- 2006年2月24日 Ver 2.40 ベータ版 リリース。
- 2006年3月27日 Sleipnir用に開発されたRSSリーダープラグイン、 Headline-Reader Plugin RC1 公開。
- 2006年4月28日 Headline-Reader Plugin RC2 公開。“HTML抽出”機能等を付加。
- 2006年6月13日 Ver 2.40 正式版 リリース。Headline-Reader Plugin 正式版 公開。
- 2006年6月16日 Ver 2.41 正式版 リリース。セキュリティモード切替や、Windows 98/Meにおいてオプション画面を使うとシャットダウンするなどの不具合を緊急修正。
- 2006年7月27日 Ver 2.45 正式版 リリース。Headline-Reader Plugin version:1.02 正式版公開。Potable Sleipnir Ver 2.45 リリース。
- 2006年8月24日 Ver 2.46 正式版 リリース。
- 2006年8月25日 累計ダウンロード数500万件突破が発表される。
- 2006年9月8日 Ver 2.47 正式版 リリース。
- 2006年10月7日 Ver 2.48 正式版リリース。
- 2006年11月16日 Ver 2.49 正式版リリース。Trident V(IE7)に正式対応。
- 2007年1月26日 Ver 2.5 正式版リリース。Vistaに暫定対応。デザイン機能向上など。Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5 相当)リリース。Ver 2.5.1 正式版リリース。不具合修正。
- 2007年1月29日 Ver 2.5.2 正式版リリース。不具合修正。
- 2007年1月30日 Ver 2.5.3 正式版リリース。不具合修正。
- 2007年1月31日 Ver 2.5.4 正式版リリース。不具合修正。
- 2007年2月1日 Ver 2.5.5 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.5 相当)リリース。不具合修正。
- 2007年2月2日 Sleipnirをベースとして阪急交通社向けに最適化されたブラウザ、TB-8(ティービーエイト)を発表。Ver 2.5.6 正式版リリース。不具合修正。
- 2007年2月9日 Ver 2.5.7 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.7 相当)リリース。不具合修正。
- 2007年2月16日 Ver 2.5.8 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.8 相当)リリース。不具合修正。
- 2007年2月23日 Ver 2.5.9 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.9 相当)リリース。不具合修正。
- 2007年2月26日 Ver 2.5.10 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.10 相当)リリース。不具合修正等。
- 2007年4月4日 Ver 2.5.11 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.11 相当)リリース。推奨ホームページの設定を pota に変更、不具合修正等。
- 2007年4月26日 Ver 2.5.12 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.12 相当)リリース。不具合修正等。
- 2007年5月9日 累計ダウンロード数1000万件突破が発表される。
- 2007年5月25日 Ver 2.5.13 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.13 相当)リリース。D&D関連の改良・不具合修正等。
- 2007年7月13日 Ver 2.5.14 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.14 相当)リリース。メニュー編集用のGUI「メニューエディタ」実装、不具合修正等。
- 2007年7月25日 Ver 2.5.15 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.15 相当)リリース。不具合修正等。
- 2007年8月29日 Ver 2.5.16 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.16 相当)リリース。検索バー機能強化、不具合修正等。
- 2007年8月30日 Ver 2.5.17 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.5.17 相当)リリース。Ver 2.5.16 新機能の不具合修正。
- 2007年11月13日 Ver 2.6 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.6 相当)リリース。フォームの内容を保存・復元する機能を実装、不具合修正等。
- 2007年12月13日 Ver 2.6.1 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.6.1 相当)リリース。フォーム復元機能を単体プラグイン化、不具合修正等。
- 2008年2月6日 Ver 2.6.2 正式版、Portable Sleipnir (Sleipnir 2.6.2 相当)リリース。終了処理中に起動するとダイアログ表示、不具合修正等。
- 2008年4月2日 Ver 2.7 正式版、Portable Sleipnir 2.7 リリース。動作速度の向上、安定性の向上、スクリプト周りの改善等。
- 2008年4月28日 Ver 2.7.1 正式版、Portable Sleipnir 2.7.1 リリース。簡易ヘルプのデザイン変更、不具合修正等。
- 2008年4月30日 Ver 2.7.1 Release2 正式版、Portable Sleipnir 2.7.1 Release2 リリース。不具合修正。
- 2008年6月4日 Ver 2.7.2 正式版、Portable Sleipnir 2.7.2 リリース。ブックマークを履歴から復元した際に、任意のスクリプトが実行される可能性のある脆弱性の修正、不具合修正等。
- 2008年7月31日 Ver 2.8 正式版、Portable Sleipnir 2.8 リリース。フレームスキン機能の実装、不具合修正等。
- 2008年10月31日 Sleipnir 3 Alpha (Design Preview)リリース。
Portable Sleipnir
Sleipnir2.xxと平行して開発されているPortable Sleipnir(ポータブル・スレイプニル、あるいはポータブル・スレイプニール)は、SleipnirをUSBメモリに入れて持ち運ぶニーズを想定したソフトウェア。Sleipnirをベースに、ファイルサイズの低減、履歴の消去など携帯性に重点を置いた調整が施されている。USBメモリ等からSleipnirとほぼ同等の機能を利用できるが、仕様によりGeckoエンジンを使えなかったり評価版プラグインをインストールできなかったり一部機能を制限された部分がある。
他言語版
Sleipnir2.2以降では、英語版や中国語版など他言語版も公開されている。機能は同バージョンの日本語版Sleipnirと同等。
評価版
Sleipnirのベータ版・RC版には次期バージョンの数字を付加されるが、test版と呼ばれる評価版は公式配布版に上書きしてテストを行うためのバージョンとして最新の公式配布版の数字が付加されるようになっている。例えば2.00のベータ版であれば2.00正式版公開前の評価版であり、2.00test版であれば2.00に上書きしてテストを行う評価版である。Windows 2000/XPでの新機能などの動作確認をあらかじめ行って開発効率を上げることを目的としている。
ちなみにSleipnirは作者の柏木らが2ちゃんねるを利用してユーザーとの交流を図りつつ開発を行っており、主な評価版は2ちゃんねるを通じて発表されるようになっている。
脚注
関連項目
外部リンク
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