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Portable Network Graphics(ポータブル・ネットワーク・グラフィックス)はコンピュータ上で扱われる画像を格納するためのファイルフォーマットの一つ。PNGの読み方は「ピング、ピン [/pɪŋ/]」(pingと同じ発音)[1]。
概説Deflateを利用した可逆圧縮の画像ファイルフォーマット。既存のGIFの機能を拡張、さらにネットワーク経由での使用を想定した機能強化が図られている。ブラウザやグラフィックソフトでのサポートも進み、インターネットを中心に利用が広がっている。 最大16ビットのグレイスケール、24ビットと48ビットのRGBフルカラー、8ビット、または16ビットのアルファチャンネル、さらに最大8ビットのインデックスカラーモードをサポートする。画像に付属するテキストなどのメタデータやガンマ値などを個別に記録できる。 アニメーション機能は定義されていない。PNGを拡張してアニメーション機能を持たせたMNGとAPNGが別に開発されている。 歴史PNGフォーマットの開発は1995年の初頭から始められた。これは、米UNISYS社がGIFフォーマットに使われている圧縮アルゴリズムLZWの特許行使を発表した後のことであり、PNGの頭文字には、非公式には「PNG is Not GIF」という意味が込められている[1]。これ以外にも、当時256色以上表示可能なコンピュータが主流になってきていたため、GIFフォーマットの256色という制限解消も目的とされた。1999年8月、UNISYS社は非商用ソフトについても特許使用料を請求することを決めると、PNGはさらに注目を集めることになった。
技術詳細ファイルヘッダPNGファイルはヘッダに8バイトのシグネチャを持つ。16進数の値は 89 50 4E 47 0D 0A 1A 0A となる(制御文字で表すと HTJ "PNG" CR LF SUB LF)。各値の意味は次の通り。
チャンクファイルヘッダに続いて、チャンクと呼ばれる複数のデータブロックが続く。各チャンクは画像についての様々な情報を保持するもので、必須チャンクと補助チャンクに分けられる。補助チャンクは任意的なもので、処理プログラム側によっては必ずしも処理されない。このチャンク構造により、PNGフォーマットは拡張性と下位互換性を両立する。 チャンクの構造は、そのチャンクサイズと種類を指定するヘッダ、続いて実際のデータ、最後にデータのCRCが配置される。チャンクの種類は、大文字と小文字が区別されるアルファベット4文字で表され、先頭の1文字が大文字のときは、必須チャンクに分類される。必須チャンクには、その画像ファイルを読み込むために必要な情報が含まれ、デコーダが解析不可能な必須チャンクに遭遇した場合、エラーとなる。 2文字目の大文字小文字は、そのチャンクがパブリックかプライベートかを示す。大文字がパブリック。パブリックチャンクはその仕様が公開、定義されたもので、公開チャンクともいう。 3文字目は将来的な拡張のためにリザーブされている。現在は常に大文字にしなければいけない。 4文字目の大小は、そのチャンクがそのままコピーできるかどうかを示す。小文字の場合、ファイルへの変更内容に関わらず、そのチャンクをコピーして継続的に使用できる。大文字の場合、他の必須チャンクへの変更の影響を受けることを表す。 必須チャンクPNGファイルの読み込みと表示に必要なチャンクで、デコーダが適切に処理する必要がある。
PLTEチャンクはカラータイプ3(インデックスカラー)を使用するときに必須となる。カラータイプ2と6(トゥルーカラー及び、アルファ情報付きトゥルーカラー)の場合は任意、さらにカラータイプ0と4(グレースケール及び、アルファ情報付きグレースケール)の場合は存在してはいけない。 補助チャンクイメージについての付加情報を保持するための任意チャンク。
他のフォーマットとの比較
POV-Rayで作られたPNGの画像
GIFとの比較GIFの代替物として開発された経緯があるため、GIFと比較されることが多い。主な差異は以下の通り。
JPEGとの比較JPEGは、主に写真的なイメージデータを非可逆圧縮することでPNGよりも小さなファイルサイズに収めることができる。そのためPNGで、高画質に設定したJPEGと同程度の品質を得ようとすると、ファイルサイズはJPEGの数倍(大抵は5~10倍程度)になる。 PNGは、テキストや線画など色の境界がはっきりしたイメージに適している。線画と写真が混在している場合では、目的に応じてシャープな部分を重視する場合はPNG、ファイルサイズを重視する場合はJPEGを選ぶことができる。 JPEGは、ジェネレーションロスが生じるため、編集中の一時データの保存には向かない。PNGはその可逆性を生かして、編集やレタッチイメージの一時保存に利用し、最終イメージのみをJPEGで出力すれば、ジェネレーションロスは1世代にとどめることができる。その一方で、PNGはデジタルカメラなどで利用されているExif情報をサポートしていない。TIFFはロスレスでExifをサポートしているが、ファイルサイズではPNGに利点がある。 ブラウザの対応前述の特許権問題によりGIF排斥運動が起こったが、GIFは依然として広く使われている。それは主に以下の理由からである。
Internet Explorerはバージョン6までアルファチャンネルを持つPNG画像を正しく描画できない。2006年11月にリリースされたバージョン7で、正確に描画できるようになった。(ただしPhotoshopで生成したPNG画像の場合、gAMAチャンクへの不適切な記述のため正常に表示されないことがある) PNGはGIFと同様な1色透過も扱え、こちらはInternet Explorer 5でも対応している。なお、IE5.5はアルファチャンネル付きPNGを正しく表示できるActiveXプラグイン(AlphaImageLoader)を搭載しているため、この機能を使うようHTMLファイルに記述すれば表示できる。ただしIEの設定によってはアルファチャンネルとして機能せず、また他ブラウザとの互換を考えると、わざわざこの機能を利用する価値はほとんど無い。 UNISYS社の主張するLZW圧縮アルゴリズムに関する特許は、米国時間2003年6月20日をもって無効(期限切れ)になった。PNGはLZW圧縮アルゴリズム特許の有効期間内で全てのGIFファイルを代替するには至らなかった。特許問題が事実上消失したため、「特許に抵触しないGIFを代替可能なフォーマットのひとつ」としての存在意義は消失した。現在、PNGは「GIFを代替可能なフォーマットのひとつ」という見方ができる。 ファイルサイズ正しくエンコード処理を行ってメタデータを含まないように作成したPNG画像は、同じように処理して作成したGIF画像より小さくなるはずである。しかしPNGはGIFより機能が多いため、無駄に大きなサイズになってしまわないよう気をつける必要がある。 GIFは256色に制限されているため、多くのソフトはフォーマットの変換を行うとき自動的に256色に減色して保存する。そのためフルカラーの画像をPNGとGIFに保存した場合、GIFの方がサイズが小さくなる(かわりに画質は落ちている)。GIF同様256色のPNGを作ればGIFよりサイズが小さくなるにも関わらず、PNGは256色より多い色数を利用できるため変換時に自動で減色されない場合がある。結果同じ画像をGIFにした場合よりサイズが大きくなってしまい、これによりPNGはGIFよりもサイズが大きくなるのだと誤解してしまう人が多い。 Adobe Photoshopはバージョンによっては無駄に大きいPNGファイルを出力する場合がある。 インターレースPNGはインターレースGIFに比べ、圧縮率が低くファイルサイズが大きくなる場合が多い。また、インターレースPNGは通常のPNGより、ファイルサイズが大きくなりがちであり、注意が必要である。 PNGのファイルサイズを減らすにはPNG最適化ソフトウェアなどでPNGファイルを最適化するとよい。最適化の為のソフトウェアとしては、 OptiPNG、PNGOUT、pngrewrite、Pngcrushなどがある。また、Windows用ながらもBlastPNGのような複数の最適化ソフトウェアを一度に扱えるフロントエンドなどもある。 PNGはJPEGに取って代わるものではない。JPEGは写真の圧縮に適した非可逆圧縮方式であり、写真画像に限ってはJPEGのほうがファイルサイズが小さくなる。一方で、文字や線画などの保存はJPEGだと圧縮ノイズが目立ってしまうのでPNGのほうが適している上、ファイルサイズもかなり小さくなる。また、加工を繰り返す予定のある画像はJPEGでは劣化が進んでしまうのでPNG保存が望ましい。 出典外部リンク
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