OpenOffice.org

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OpenOffice.org

Ubuntuで動作している<strong>openoffice.org writer</strong>
Ubuntuで動作しているopenoffice.org writer
開発元 サン・マイクロシステムズ
コミュニティー
最新版 2.4.1 / 2008年6月10日
最新評価版 3.0β / 2008年5月8日
プラットフォーム クロスプラットフォーム
種別 オフィススイート
ライセンス LGPL
公式サイト www.openoffice.org
  

OpenOffice.org(オープンオフィス・ドット・オルグ、あるいは オープンオフィス・オルグ)は、オープンソースによりオフィススイートを制作するプロジェクト名称、及びそのソフトウェア名称である。省略形はOOoやOOO、オープンオフィス[1]などとよばれる。Microsoft Officeとある程度の互換性を持つ(MS Office 2007のファイルにはOOo3.0から対応。)。

OpenOffice.orgは豊富な機能を持ったオフィススイートで、多くのプラットフォーム(OS)をサポートしている。世界的にシェアを伸ばしており[2]プロプライエタリな文書フォーマットに依存すべきでない官公庁や自治体などで採用されるケースが増えつつある。海外ではシンガポールの国防省[3]フランスの財務省[4]ハンガリーの国防省[5]マケドニアの財務省、イギリスブリストルの市議会[6]などで採用されるケースがある。日本でもアシスト[7]住友電気工業[8]会津若松市[9]などの採用が話題になっている。

目次

概要

ライセンス

OpenOffice.orgはオープンソースかつコピーレフトGNU LGPLの元でフリーに公開されている。当初はサン・マイクロシステムズ独自のSISSL(Sun Industry Standards Source License)とLGPLの2重ライセンスで公開されていたが、2005年9月2日にサン・マイクロシステムズがSISSLの廃止を発表したため、現在はLGPLに一本化されている。サン・マイクロシステムズは OpenOffice.org の成果をもとに、一部独自のソフトウェア・マニュアル・フォントを付加してStarOfficeを販売している。

ISO標準化

OpenDocument

OpenOffice.orgはISO/IEC 26300で規定されるOpenDocument Format (ODF) 形式を標準の文書形式としており、ODF形式をサポートするソフトウエア同士は、違うベンダのものであっても相互に一定の読み書きが保障されるとされている(相互接続性という)。

なお、ISO 26300による承認に先立ち、2005年に構造化情報標準促進協会 (OASIS) がOpenOffice.orgのファイル形式を標準化認定している。 実際のODF形式のファイルは、XMLで記述された複数のデータファイルをZIP形式で圧縮したものである。

マイクロソフトが開発したMicrosoft Office2007以降でのファイル形式OOXMLもISOで標準化認定されたが、ODFとは互換性がない。

政府調達

ファイル形式がISO標準と規定されたことで、各国の政府機関によりODF形式のファイルが政府調達の条件に加えられるようになった。欧州委員会では政府調達ではODF形式を用いることを推奨している。日本国内においても、将来的にODF形式が政府調達の要件になる可能性もあり、大企業の政府調達部門を中心にOpenOffice.orgを導入するところも現れている。

マルチプラットフォーム

OpenOffice.orgはマルチプラットフォームで、現在リリースされている最新版のOpenOffice.org 2.4は、Microsoft WindowsLinuxFreeBSDSolaris(x86と UltraSPARC)及びMac OS X(Mac愛好家達による改良型についてはNeoOfficeを参照)で動作する。

しかし、Mac OS XでのOpenOffice.orgの動作には多少問題があり[10]OpenOffice.org 日本ユーザー会では、Macユーザーに対して改良版のNeoOfficeの使用を推奨している[11]

多国語対応

多国語版が同時に開発されており、世界中で同一のソフトを利用することができる利点は大きい。なお、内部ではUnicodeで処理されているため、OpenOffice.org日本語版でも、欧米の言語のみならず他地域の言語を扱うことができる。

また、OpenOffice.orgは、ドイツ国内の技術者の関与が大きいので、英語と並んでドイツ語関係の機能も充実している。

アジア諸言語としては、日本語のほか、韓国語中国語に対応している。複合文字言語(CTL)では、アラビア語タイ語ヒンディ語ヘブライ語に対応している。

各機能

OpenOffice.orgは統合オフィススイートで、各機能は別個のソフトとして存在しているわけではない。openoffice.org 2.0以降のファイルフォーマットとしては、OpenDocument(ISO/IEC 26300)が標準的に用いられている。その実体は XML で記述されたファイルを ZIP 形式で圧縮したものである。これはOASISによって認められた形式で、一太郎2006も2006年9月に公開された追加モジュールで対応した。OpenOffice.org 1.x で作成されたファイルは openoffice.org 2.0以降で読み込むことができ、OpenDocument 形式へ変換(エクスポート)することも可能となっている。OpenDocument 形式でファイルを保存することによって、将来 OpenOffice.org のプロジェクトが頓挫したとしても OpenOffice.org で作成したデータを他のソフトでも活用できるよう設計されている。

また、各機能を通してPDF形式の出力に対応している。

ワープロ (Writer)

ワープロ (バージョン 2.0)
ワープロ (バージョン 2.0)

ワープロ機能。書式をスタイルで編集することができるのが特徴。これによって、長文の文章の編集が容易となっている。但しMicrosoft Wordに比べアウトラインプロセッサーの操作上の自由度が低い、文法チェッカーなどの機能がついていない等の制約がある。

多国語対応なので、次のような各言語に特別な機能が、世界共通で付与されている。

欧米語対応(文字種の変換)
大文字/小文字の変換ができる。
アジア諸言語対応(文字種の変換)
半角/全角変換・ひらがな/カタカナ変換ができる。この機能は主に日本語を念頭に置かれている。
韓国語対応(ハングル/ハンジャ変換)
選択した韓国語テキストをハングルとハンジャの間で相互に変換できる。
中国語対応(中国語の変換)
中国語のテキストの書記法(簡体字又は繁体字)を変換できる。

テキスト(txt)、Rich Text Format(rtf)、HTMLドキュメント(html)などの形式のほか、Microsoft Word 97/2000/XP(doc)、DocBook(xml)、Microsoft Word 2003 XML(xml)形式での保存などもできる。

表計算 (Calc)

表計算 (バージョン 2.0)
表計算 (バージョン 2.0)

表計算機能。OpenOffice.org 1.x では処理できる行数が限定されていたが、openoffice.org 2.0 では、行数が65,336行になった。関数は Excel と同様のものが多い。Calc の関数ウィザードに用意されている関数は、データベース、日付と時刻、財務、情報、論理関数、数学行列統計、文字列及びアドイン関数に分類されている。なお、円グラフやドーナツグラフの表示順序は、反時計回り(左回り)となっている。

多言語対応の点から Calc の日付の書式については、異なる紀年法での表示が可能である。以下に、表示可能な主要なものを列記する。なお、日付はシリアル値として処理されているが、Excel が1900年1月1日を「1」としているのに対して、 Calc は、1899年12月31日を「1」としている。但し、1900年3月1日以降についてはシリアル値は一致する。

グレゴリオ暦(gregorian)
OpenOffice.org の標準的な日付書式。
タイ仏教暦(buddhist)
仏滅紀元に基づくもの。
日本の元号暦(gengou)
明治大正昭和平成といった元号。ただし、慶応以前は表示されない。一世一元の詔及び元号法(昭和54年6月12日法律第43号)などに基づく。
アラブイスラム暦(hijri)
紀年法のみならず日付表示も異なる(純粋太陰暦)。
ユダヤ暦(jewish)
イスラエルの公式暦法。
中国暦(ROC)
言語設定を中国語(繁体字)とすると、中華民国(台湾)の公式紀年法である中華民国紀元などでも表示が可能である。

データベース (Base)

データベース (バージョン 2.0)
データベース (バージョン 2.0)

データベース機能。リレーショナルデータベースに対応している。Baseはopenoffice.org 2.0から登場した機能である。もっとも、その元となるデータベース機能(データソース)は1.0当時から存在していたが、ユーザーから「Microsoft Accessのようなデータベース機能はないのか」という要望が強く、分かりやすいように機能として独立させるとともに強化が図られたものである。

他のデータベースソフトに比べて他形式での出入力機能が不十分であるが、その代わり、ワープロ機能や表計算機能との連携は密である。

最も標準的に使用するのはHSQLDBであるが、そのほかに次の形式などに対応している。Oracle DatabaseMySQLSQL ServerJDBCODBC経由)/dBASEMicrosoft AccessAdabas DExcelテキストファイルMozillaWindowsアドレス帳等。/Apache_Derby

プレゼンテーション (Impress)

プレゼンテーション (バージョン 2.0)
プレゼンテーション (バージョン 2.0)

プレゼンテーション機能。機能的には Power Point を凌駕するレベルに達している。Impress には予めテンプレートが用意されている。そのため、プレゼンテーションの作成に詳しくないユーザーであっても、画面に表示されるウィザードに従えば簡単なプレゼンテーションを完成させることができるよう配慮されている。

HTMLエディタ

HTMLエディタ  (バージョン 1.1.0)
HTMLエディタ (バージョン 1.1.0)

HTML編集機能。Writer-Web(ライター-ウェブ) ともよばれるこのエディタは、WYSIWYG HTMLエディタの一種に属するので、画面上で実際の文書を逐一確認しながら HTMLの作成を行うことができる。テキストエディタのように HTMLタグを直接用いた編集にも対応する。ブラウザ表示との違和感が少なく、完成度が高い。同様なフリーの HTMLエディタとして代表的なものには、これ以外にもMozilla Composerなどが存在する。

描画 (Draw)

描画 (バージョン 2.0)
描画 (バージョン 2.0)

図形描画機能。作図のみならず、レイアウトの複雑なパンフレットの作成にも活用される。ベクターベースの線画や編集、3Dモデルの作成・回転・影付けなどの機能が提供されている。

Macromedia Flash 形式のファイルを出力する事ができる。ベクターグラフィックスであるため、ベクターデータによる画面表示では拡大や縮小をしても描写の劣化が起きない。 図形同士を線分によって連結するコネクタ機能によって、図形を移動させることも容易である。色の指定は、RGBCMYKなどによっても行うことができる。

openoffice.org 2.0からは多数の図形(星型や顔型など)が当初から用意されるようになった。また、SVG(Scalable Vector Graphics)の出力が可能になった。

数式エディタ (Math)

数式エディタ (バージョン 2.0)
数式エディタ (バージョン 2.0)

数式エディタ機能。デザインサイエンス社の MathType のインポート・エクスポートが可能。またMathML 1.01形式で出力できる。

選択ウィンドウから数式を選択することもできるが、コマンドウィンドウでコマンドを入力することもできる。慣れると素早く数式を入力することができ、またLaTeXなどとは異なってコマンド編集中にリアルタイムで結果数式が表示されるという利点もあるが、画像をその都度挿入していくことにより複数の数式を挿入した場合ファイルが重たくなり、操作性が損なわれることになる。このため数学の証明問題などのドキュメントには不向きである。

例えば、二次方程式の根の公式

x={-b+-sqrt{b^2-4 ac}}over {2 a}

のように記述するとx=\cfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}のように表現できる。

マクロ

OpenOffice.orgではBASIC言語を用いたマクロが利用できる。OpenOffice.orgには統合開発環境が付属しているため、知識があれば誰でも手軽にプログラムを作成し定型業務の自動化を簡単に行うことが出来る。基本的にインタプリタ型の言語であるため、コンパイル(ビルド)の作業は不要である。

また、Universal Network Objects (UNO) インターフェースを用いてC++Javaなど他の言語プログラムを呼び出すことも出来る。
また、このインターフェースを用いてOpenOffice.org API (Sun StarSuite API)を利用することにより、共通ダイアログを利用したり、OpenOffice.orgのファイルに直接アクセスしたり、MySQLPostgreSQLなどの外部データベースに直接アクセスすることが出来る。

OpenOffice.org BASICの言語仕様はSun MicrosystemsのStarSuite Basicと同じである。

なお、OpenOffice.org BASICの言語仕様はMicrosoft OfficeVBAと似ているが、互換性が無く、Microsoft OfficeのVBAをそのまま実行することは不可能である。

バージョン3.0

  • ベータ版がリリースされ、日本語版もダウンロード可能である[12]
  • Microsoft Office 2007のファイルの拡張子形式、docx、xlsx、pptxに対応(Office Open XML対応)。
  • Mac OS Xにネイティブで対応。
  • 9月リリース予定

派生製品

バージョンアップ履歴

バージョン リリース年月日 特徴
StarOffice   ドイツの StarDivison 社が開発・販売していたオフィススイート。オフィススイート分野での Microsoft Office の独占的シェアを切り崩すため、サン・マイクロシステムズは1999年に同社を買収し、StarOffice5.2 を無償公開するとともに、2000年10月、StarOffice のソースコードを公開し、 OpenOffice.org プロジェクトを立ち上げた。
Build 638c 2001年10月13日 最初のマイルストーンリリース
1.0 2002年5月1日(英語版) 初の正式版となった1.0には、Writer(ワープロ)、Calc(表計算)、Draw(描画ツール)、Impress(プレゼンテーション)、HTML Editor(HTML編集)、Math Editor(数式作成)が含まれていた。
1.1 2003年9月2日(英語版)/10月9日(日本語版) 新たに PDFFlash 形式の書き出し機能、マクロレコーダ機能などが追加され、Microsoft Office との互換性がより一層向上したほか、多くのバグが修正された。このバージョンから、日本語の禁則処理が正常に作動するようになっている。
1.1.1 2004年3月30日(英語版)/5月21日(日本語版) マイナーバージョンアップ。509個のバグ修正に加えて、いくつかの新しい機能が盛り込まれた。
1.1.2 2004年6月21日(日本語版) dBASE 形式データベースファイルのサポート強化やインターネット上から好みのフォントをダウンロードし追加できる「FontOOo オートパイロット」(ただし、まだ欧文フォント中心である)といった機能追加が行われたほか、GIF の特許切れを受け、GIF 関連の機能制限が撤廃された。
1.1.3 2004年10月4日(英語版)/10月27日(日本語版) 1.1.2からのバグフィックス版で112個のバグが修正された。
1.1.4 2005年1月17日(日本語版) 1.1.3からのバグフィックス版で81個のバグが修正された。4月11日 に OpenOffice.org 1.1.4 と 2.0 ベータ版に、不正な Word 文書を読み込むことでバッファオーバーフローを引き起こすセキュリティホールが発見される。4月18日に 1.1.4 日本語版の修正モジュール公開。
1.1.5 2005年9月15日 (日本語版) 4月11日に見つかったセキュリティホールの修正の他、OpenDocument形式のファイルのインポートにも対応した。2006年6月29日に、1.1.5と2.0.2にマクロやJavaアプレットの扱いに関する脆弱性が発見されたと発表されており、7月18日にその修正モジュールが公開されている。
2.0β2 2005年8月31日(日本語版) 9月6日ライセンス形態を変更し、LGPLに一本化。2.0ベータ2以降のリリースはLGPLとなる(プレスリリース)。
2.0 2005年10月20日(英語版)/10月27日(日本語版) PDF出力の強化やOpenDocument形式の標準サポート、加えて浮動ツールバーやネイティブのインストーラが採用された。
2.0.1 2006年1月7日(日本語版) 差し込み印刷ウィザードの拡張、箇条書きのデフォルト記号の明瞭化、ダイアログでオプションの表示と非表示の設定を可能化などが行われる。
2.0.2 2006年2月27日(英語版)/4月3日(日本語版)  
2.0.3 2006年6月30日(英語版)/7月18日(日本語版) 6月29日に発表された3つの重大なセキュリティホールの修正と、PDF出力時の詳細設定を行う機能の追加が行われた。1.1.5向け修正モジュールもリリース。なお、日本語版にはフォントの扱いに不具合があり、修正ファイルが公開されている。
2.0.4 2006年10月13日(英語版)/11月2日(日本語版) ソフトウェアアップデート通知機能の追加やPDF出力時の暗号化対応、「OpenOffice.org Extensions」と呼ばれるアドオンアプリケーション環境の搭載、LaTeX形式でのファイル出力(日本語等マルチバイト文字は未対応)の追加などが行われた。なお、本バージョンでも日本語版にはフォントの扱いに不具合があり、修正ファイルが公開されている。
2.1 2006年12月12日(英語版)/2007年1月5日(日本語版) プレゼンテーションソフト「Impress」において、マルチディスプレイに対応した。また、複数の脆弱性が修正された。
2.2 2007年3月29日(英語版)/2007年5月8日(日本語版) カーニングをデフォルトで有効にすることでテキスト表示品質を改善した。表計算ソフト「Calc」においてMicrosoft Excelファイルのサポートを改善した。Windows Vista対応とIntel Mac対応を改善した。また、複数の脆弱性が修正された。
2.2.1 2007年6月12日(英語版)/2007年7月12日(日本語版) 悪意のあるRTF形式のファイルを開いた場合に任意のプログラムが実行される脆弱性を初めとした複数の脆弱性が修正された。
2.3.0 2007年9月18日(英語版)/2007年10月4日(日本語版) グラフ機能の大幅な改善とTIFFファイルの処理に関する整数オーバーフローに起因する深刻な脆弱性の修正。日本語版では「滑らかな線」ダイアログが小さすぎて一部設定が変更できない不具合があり、修正ファイルが公開されている。ただし、十分なテストを経ていないため、この機能を利用しないユーザーは適用しないことが推奨されている。
2.3.1 2007年12月3日(英語版)/2007年12月5日(日本語版) データベースエンジン「HSQLDB」に存在する、深刻な脆弱性の修正。
2.4 2008年3月27日(英語版)/2008年4月2日(日本語版)
2.4.1 2008年6月10日(英語版)/2008年6月21日(日本語版)
3.0β 2008年5月8日(英語版/日本語版) Mac OS Xにネイティブ対応。アイコンやツールバーの外見を一新、ODF 1.2対応。MS Office 2007/2008の新しい文書形式(.docx, .xlsx, .pptxなど)に対応。

関連項目

脚注

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外部リンク

ウィキメディア・コモンズ
ウィキブックス
ウィキブックスOpenOffice.org関連の教科書や解説書があります。

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