Microsoft Exchange Server

del.icio.us del.icio.us
Digg Digg
Furl Furl
Reddit Reddit
Rojo Rojo
Add to OnlyWire
Microsoft Exchange Server

開発元 マイクロソフト
最新版 2007 / 2006年12月7日
対応OS Microsoft Windows
プラットフォーム x86-64(従来はx86
種別 グループウェア
ライセンス MS-エンドユーザライセンス
公式サイト www.microsoft.com/exchange
  

Microsoft Exchange Server は、マイクロソフトの開発したグループウェア/電子メール製品。Microsoft Servers の一部であり、マイクロソフト製品を採用している企業で広く使われている。Exchange の主な機能は、電子メール/予定表/連絡先などの共有と携帯機器やウェブからの情報アクセスサポート、さらにデータ格納サポートである。

目次

歴史

マイクロソフトが従来のXENIXベースのメッセージングシステムから Exchange Server への移行を開始したのは1993年4月であり[1]、1995年1月には約500ユーザーが Exchange Server Beta 1 を使用していた。1996年4月までに 32,000 ユーザーが移行した。

1996年6月11日にリリースされた Exchange Server 4.0 が社外に販売するようになった最初のバージョンであり、Microsoft Mail 3.5 の後継とされた。ただし、Exchange Server は全く新しいX.400ベースのクライアントサーバ型メールシステムであり、単一のデータベースとX.500ディレクトリサービスをサポートしていた。Exchange Server で使われていたディレクトリは後に Active Directory というLDAP準拠ディレクトリサーバとなった。Active Directory は Windows 2000 に導入された。

1997年5月23日Exchange Server 5.0 がリリースされた。Exchange Administrator コンソールが新たに導入され、SMTPベースのネットワークとの連携を初めて実現した。SMTPリレーが別途必要だった Microsoft Mail とは異なり、Exchange Server 5.0 は Internet Mail Connector というアドインを使って、直接SMTPベースのサーバと通信可能であった。また、Exchange Web Access というWebメールインタフェースも新たに導入された。ただし、これは後に Outlook Web Access と改称し、サービスパックに入れられた。5.0 に対応して、その新機能をサポートした Microsoft Outlook 8.01、Microsoft Exchange Client 5.0、Microsoft Schedule+ 7.5 がリリースされた。

1997年11月、Exchange Server 5.5 がリリースされた。スタンダード・エディションとエンタープライズ・エディションがある。これらは、データベースの大きさ、メール転送機能、クラスタリング機能などで差がある。スタンダード・エディションは従来版と同じ 16GB というデータベースの制限があるが、エンタープライズ・エディションではこれが 8TB に拡張されていた(ただし、マイクロソフトは100GBを越えた構成を推奨していない)。スタンダード・エディションには、Site Connector、MS Mail Connector、Internet Mail Service(Internet Mail Connector から改称)、Internet News Service(Internet News Connector から改称)、cc:Mail/Lotus Notes/Novell GroupWiseといったソフトウェアとの連携機能がある。エンタープライズ・エディションにはさらに、X.400 Connector、IBMのSNADSやPROFSとの連携機能がある。エンタープライズ・エディションには2ノードのクラスタリング機能が導入された。その他の新機能として、予定表をサポートした Outlook Web Access、IMAP4LDAP v3 クライアントのサポート、削除されたアイテムの復旧機能がある。このバージョンまで、Exchange Server には内蔵のディレクトリとSMTP/NNTPサービスが含まれていた。Outlook 8.03 が対応するクライアントとしてリリースされたが、Exchange Client と Schedule+ は対応バージョンがリリースされなかった。

2000年11月29日にリリースされた Exchange Server 2000 では、様々な制限が解除された。例えば、データベースのサイズ制限が緩和され、クラスタは2ノードから4ノードに拡張された。しかし、Microsoft Active Directory が必須となったためにアップグレードできない顧客が続出した。つまり、以前はディレクトリサービスを内蔵していたのだが、2000 では Active Direcotry なしでは機能しなくなったのである。Exchange Server 5.5 から移行する場合、5.5 の動作するシステムと 2000 をインストールするサーバは別に必要であり、そうしないとディレクトリの内容を変換できない。インスタントメッセージのサポートも追加されたが、後に Microsoft Office Live Communications Server として分離されている。Exchange Server 2003 で従来版からの移行がかなり容易になった。このため、Exchange Server 5.5 のユーザーは 2003 のリリースを待ったところが多い。また、アップグレードするには、サーバのOSを Windows 2000 にする必要があった。顧客によっては、マイクロソフトのサポートが得られない Exchange Server 5.5 と Windows NT 4.0 の組合せに留まる選択をしたところもある。

Exchange Server 2003

2003年9月28日リリース。Windows 2000 Server(ただし、SP4)と、32ビットの Windows Server 2003 で動作するが、後者では新機能の一部が機能しない。各種互換モードを備えており、ユーザーが徐々に移行できるようにしている。これは、多数の Exchange Server を稼動させていて、移行のためにサービスを停止できない企業などで重宝された。

Exchange Server 2003 の新機能の一つとして、ダウン時の復旧を高速化した点が挙げられる。これは、メッセージストアがバックアップから復旧される前から新規メールのやり取りを可能としたものである。Mobile Information Server 2001/2002 の機能の一部も Exchange Server に取り入れられた。例えば、Outlook Mobile Access や ActiveSyncのサーバ側などである(Mobile Information Server はその後開発中止となった)。ウイルスおよびスパム対策も強化され[2]、フィルタリングソフト向けのAPIの追加、SPFおよびDNSBL[3]フィルタリングの基本部分の組み込みがなされている。メッセージ/メールボックス管理ツールも強化され、管理者の作業時間短縮に寄与している。Instant Messaging と Exchange Conferencing Server は別製品となったため、完全に除かれた。マイクロソフトはグループウェアとしての機能を、Microsoft Office、Microsoft Office Live Communications Server、Microsoft Live Meeting、Sharepoint の組合せで実現するという方向となっている。このため、Exchange Server は、電子メールと予定表だけを分担するようになっている。

Exchange Server 2003 には、スタンダード・エディションとエンタープライズ・エディションがある。スタンダード・エディションはサーバ毎に1つのメッセージ・データベースをサポートし、データベースは最大 16GB である。SP2 では最大 75GB に拡張されたが、デフォルトは 18GB となっており、それ以上に設定するにはレジストリを編集する必要がある[4]。エンタープライズ・エディションでは最大 16TB であり、最大5つのデータベースからなるストレージグループをサーバ内に最大4つ持つことができる(合計で20個のデータベース)[5]

Windows Small Business Server 2003 には Exchange Server 2003 も含まれるが、32ビット版だけであり、64ビット版では動作しない。

Exchange Server の使うRPCプロトコルは独自のもので、APIしか公開されていない(MAPI)。これは、Microsoft Outlookクライアントで使うべく設計された。Exchange Server 上の電子メールは POP3IMAP4 でアクセスでき、Mozilla ThunderbirdLotus Notes といったクライアントでも使える。Outlook と Novell Evolution は Exchange Server 特有の機能にも対応したクライアントである。Mac 用の Microsoft Entourage も最新版では Exchange Server 特有の機能の大部分をサポートしている。ウェブブラウザからメールボックスにアクセスすることもでき、これを Outlook Web Access(OWA)と呼ぶ。また、Exchange Server 2003 はモバイル版 OWA(Outlook Mobile Access、OMA)もサポートしている。

Windows Mobile 5.0 AKU2 以降では、Exchange Server 2003 SP2 と組み合わせて、プッシュ型電子メールをサポートしている[6][7]

Exchange Server 2000 とは異なり、インスタントメッセージシステムは含まれていない(Live Communication Server に分離された)。

Exchange Server 2007

Exchange Server 2003 以降、マイクロソフトの方向性は不明だった。2005年に何らかの改良がリリースされる予定が立てられたが、中止されている。Exchange Server 2007 がリリースされたのは2006年末であった。ボイスメールとの連携、ウェブサービス検索強化、フィルタリング強化、新たな Outlook Web Access インタフェースなどが含まれる。

64ビットのx86-64版の Windows Server でのみ動作する。サポートは得られないが、32ビットの試用版がダウンロード可能となっている。32ビットのハードウェアで Exchange Server を使っている顧客は、ハードウェアの置換が必要となるし、64ビットのハードウェアを使っている顧客でも、OS を64ビット版にしないと移行できない。

ベータ版は2005年12月にリリースされたが、ベータテストを行ったサイトはごく少ない。広範囲に配布されるベータ版は(開発チームのブログによれば)2006年3月に公開された。2006年4月25日、マイクロソフトは Exchange Server の次期バージョンが Exchange Server 2007 となることを発表した。

主な強化点

マイクロソフトによれば、強化点は以下の通り[8]

  • 保護機能: アンチスパム、アンチウイルス、法令順守、クラスタリングによるデータ複製、セキュリティと暗号の強化
  • アクセスの強化: 予定表強化、統合メッセージング、モバイル対応強化、ウェブアクセス強化
  • IT効率強化: 64ビット化によるスケーラビリティと性能、コマンドシェルと単純なGUI、展開強化、役割分離、ルーティングの単純化
  • Exchange Management Shell: 管理者向けの新たなコマンド行シェルスクリプト言語Windows PowerShellベース)。GUIでできることは全て実行可能であり、日々の作業でよく実施するものをスクリプト化することが可能。375種のコマンドを備えている[9]
  • 統合メッセージング: ボイスメール、電子メール、ファックスを統合的に利用可能。また、メールボックスに携帯機器や電話からアクセス可能。
  • データベースサイズの制限を解除。ハードウェアおよびOSの限界までの大きさのデータベースを利用可能。
  • サーバ毎のストレージグループ数とデータベース数を拡大。スタンダード・エディションでは5個まで、エンタープライズ・エディションでは50個まで。

クラスタリングと高可用性

エンタープライズ・エディションは、Windows 2000 Server では4ノードまでのクラスタ、Windows Server 2003 では8ノードまでのクラスタをサポートしている。Exchange Server 2003 はアクティブ/アクティブ型クラスタも導入しているが、その場合は2ノードクラスタのみである。アクティブ/アクティブ型では、同時に両方のサーバが利用できる。より一般的なアクティブ/パッシブ型は、クラスタ内に現用系のフェイルオーバーのための待機系が存在する。待機系は現用系で障害が発生するときのために待機状態にある。アクティブ/アクティブ型については性能問題があることがわかり、マイクロソフトも現在では利用を推奨していない[10]。実際、Exchange Server 2007 では、アクティブ/アクティブ型クラスタはサポートされていない。

Exchange のクラスタリングは、同じ物理データのノード間での共有方法が問題視されてきた。クラスタリングによって Exchange Server は「アプリケーション」として多重化されるが、「データ」は多重化されない[11]。この場合、データが「単一点故障; single point of failure」となるが、マイクロソフトはこれを "Shared Nothing" と説明している[12]。ただし、この隙間をISVやストレージ企業が様々な手法で埋めてきた[13]。Exchange Server 2007 では、新たなクラスタリング構成を導入し、従来の "shared data model" の問題点に対処している[14]

Exchange Server 2007 では、SQL Server の "Log Shipping"[15] に基づいた非同期レプリケーションを、CCR(クラスタ連続レプリケーション)[14]として組み込みでサポートしている。これは、MSCS MNS(Microsoft Cluster Service - Major Node Set)を使ったもので、共有ストレージを必要としない。このようなクラスタは安価に構成でき、遠隔のデータセンタ間でクラスタを構成可能で、サイト全体の災害などにも対応できる。CCRクラスタは、2ノードでのみ構成可能で、追加のファイル共有証人としての "voter node" が第三のノードとして追加可能である[16]。voter node はスプリットブレインシンドロームを防ぐもので、一般に Hub Transport Server 上でファイル共有する[14]

第二のクラスタ形態は、以前のバージョンから可能だったもので、現在はSCC(シングルコピークラスタ)と呼ばれている。Exchange Server 2007 では、CCR も SCC も展開が簡略化され、Exchange Server のインストール時にクラスタとしての構成が可能である。LCR(ローカル連続レプリケーション)[14] は "poor man's cluster"(貧者のクラスタ)とも呼ばれる。これは、データのレプリケーションを同じサーバ上の別の装置に行うもので、ストレージの故障に対応できる。しかし、サーバそのものが故障した場合には対応できない。

2007年11月、マイクロソフトは Exchange Server 2007 の SP1 をリリースした。このサービスパックには新たな高可用機能 SCR(スタンバイ連続レプリケーション)が含まれている。CCR では両サーバが Windows クラスタに属していなければならなかったが、SCR ではクラスタ化されていないサーバにレプリケーション可能であり、遠隔地のデータセンタへのレプリケーションが容易である。

関連項目

脚注

参考文献

  • "Active Directory LDAP Compliance" Microsoft Corporation, 2003年12月2日。2005年11月2日閲覧。
  • Morimoto, Rand; Michael Noel, Chris Amaris, Andrew Abbate, Mark Weinhardt. Exchange Server 2007 Unleashed. ISBN 0672329204. 
  • McBee, Jim; Barry Gerber. Mastering Microsoft Exchange Server 2007. ISBN 0470042893. 
  • Cavalancia, MCSE, MCT, MCNE, MCNI, Nick. Microsoft Exchange Server 2007: A Beginner's Guide. ISBN 0071486392. 

外部リンク

This article is from Wikipedia. All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.


Giant Panda

Mercedes Car
James Bond Guide
This site monitored by SitePinger.net