郵便貯金

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郵便貯金(ゆうびんちょきん、Postal Savings

  1. 2007年10月1日に実施された郵政民営化以前に、日本政府日本郵政公社が行っていた貯金の受入れ事業のことである。通称「郵貯(ゆうちょ)」。郵便貯金法によって規定されていた。
  2. 郵政民営化以前に預入され、日本政府による保証を継続させるため、ゆうちょ銀行に承継されず「独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構」に承継された定額郵便貯金・定期郵便貯金のことである。

民営化以前の郵便貯金の看板。現在このクローバーマークは廃止されているが、ゆうちょ銀行の預金通帳・キャッシュカード・封筒には、このマークのシルエットが描かれている。
民営化以前の郵便貯金の看板。現在このクローバーマークは廃止されているが、ゆうちょ銀行の預金通帳キャッシュカード封筒には、このマークのシルエットが描かれている。
三菱東京UFJ銀行ATMの横に並んでいる郵便貯金ATM
三菱東京UFJ銀行ATMの横に並んでいる郵便貯金ATM

目次

沿革

1875年に「日本近代郵便の父」として知られる前島密によって導入された。前島は、日本での郵便制度導入にあたり、イギリスの郵便制度を現地で調査したとき、郵便局が郵便だけではなく、為替貯金業務も行っていることを学んだ。そこで、日本への郵便制度導入と同時に、為替と郵便貯金をあわせて取り扱うことを思いついた。

郵便局の創設当初、従来の飛脚に変わる郵便と、都市から地方への送金を目的とした為替に対する庶民の需要は高かったが、郵便貯金はなかなか集まらなかった。その理由は、当時の庶民にとって、貯金という概念がなかったからであった。

郵便貯金が導入された翌年、前島は浄土真宗の僧侶であった島地黙雷の元を訪れ、一般庶民への貯蓄思想の普及を懇願したが、「日本人の気質に合わない」ということで断られてしまった。当時の新聞でも、民間の金融機関の普通預金金利に対して、郵便貯金の当座預金金利が低い、と批判されたこともあった。公務員に対して、10~30銭のボーナスを与えて、これを強制的に郵便局へ貯金させたり、貯金紹介者に対しても、強制貯金用の資金を提供して郵便貯金の資金を増やそうとしたが、貯金を継続する者は、わずか2~3割にも満たなかった。

そこで前島は、貯蓄によって老人や子供を養うことができるという点に着目し、貯蓄の道徳についてを、小学校の教育に取り入れることを発案した。このような積極的な活動を通じて、徐々に庶民の間に貯蓄思想が普及し、郵便貯金の資金は徐々に増大し、貯蓄率も1887年ごろから増加するようになった。しかし、せっかく集められた郵便貯金の資金運用先が見つからなかった。大蔵省国債局(現在の財務省理財局)に申し入れたが断られてしまったため、東京為替会社に担保を提供し、なんとか委託を頼み込んだ。

その後、同様に第一国立銀行と大蔵省国債局も郵便貯金の資金運用を始めた。1885年からは、新たに設置された大蔵省預金部に郵便貯金の資金が預託されるようになり、その大半が国債に運用されるようになった。1907年以降から、大蔵省預金部の運用は、国債ばかりではなく、特殊銀行債社会資本の整備など、財政の分野でも活用されるようになり、後の財政投融資の基礎となった。

郵便貯金は、預入限度額の引き上げや新しい商品の提供など、国民にとって身近な貯蓄金融機関としての役割を果たすため、サービス内容を充実させていった結果、全国にある郵便局で利用ができること、政府による保証があること、ローリスク・ローリターンの金融商品を扱っていることが評価され、国民から多くの資金を集めることに成功した。その結果、郵便貯金は、世界最大の預金残高を持つ巨大金融機関にまで成長を果たし、世界各国から認知されるようになっていった。

しかし、一方で、そのような巨大な金融機関を政府が保有していることや、豊富な資金力が民間へ提供されていないことが批判されるようになり、簡易保険と同様に「民営化」を求める声が高まっていった。2003年4月には、郵便貯金は日本郵政公社が取り扱う事業となり、2007年10月に日本郵政公社が分社化・民営化されて発足した「日本郵政グループ」のグループ会社であるゆうちょ銀行へ、その業務が引き継がれた。これにより、130年あまりにわたって運営されてきた郵便貯金の歴史に幕が下ろされた。ただし、ゆうちょ銀行に引き継がれたのは通常郵便貯金などであり、それ以外は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構に引き継がれている。また、ゆうちょ銀行が行っているサービスは「貯金」であり、郵便貯金ではない。

資金運用先

郵便貯金に預けられた資金は、長い間大蔵省資金運用部にすべて預託され、財政投融資の資金として使用されていた。しかし、2001年にこの制度は廃止され、民営化されるまでの間は日本郵政公社により、一般の金融市場において運用されていた。ただし、民営化時点で全体の78.9%が国債の運用に充てられていたため[1]日本郵政西川善文社長は、民営化実施前に共同通信社などのインタビューに対して、金利変動の受けやすい現状を改善するため、金利スワップ先物取引などの金融派生商品による多角的な資金運用を行いたいとの姿勢を示している。

サービス内容

取扱場所

  • 郵便貯金は通常、全国すべての郵便局で取り扱っているものであったが、特に取扱いを行わない一部の普通郵便局(区分専門局等)や特定郵便局(簡易郵便局については後述)については、その旨が公社により公示され、当該局局頭に掲出された。
  • 簡易郵便局では全部又は一部の郵便貯金業務の取扱を行わない場合があった(農協に併設される場合など)。

預入の制限

  • 最大預入額は通常郵便貯金、積立郵便貯金、定額郵便貯金、定期郵便貯金、教育積立郵便貯金を通算して、1預金者につき1,000万円であった。また教育積立郵便貯金はこの範囲内で200万円であった。このほか別枠で、住宅積立郵便貯金は50万円、財形住宅定額郵便貯金、財形年金定額郵便貯金、一般財形定額貯金の4種類を合わせて一般枠の限度額のほかに550万円、財形年金定額貯金は385万円まで預けることが可能であった。このなかには、確定拠出年金の指図者持分も入った。
  • なお、「郵便振替口座」は郵便振替法に基く口座であり、これに含まれず、制限もなかった。

最大預入額の除外地域

栃木県 塩谷郡 栗山村
東京都 利島村御蔵島村青ヶ島村
愛知県 北設楽郡 豊根村
三重県 南牟婁郡 紀和町
奈良県 吉野郡 野迫川村上北山村
徳島県 三好郡 西祖谷山村
鹿児島県 鹿児島郡 三島村十島村
沖縄県 島尻郡 座間味村

制限額を超過した場合

  • 貯金総額が制限額を超えたときは、公社からその旨が預金者に通知され、通知があったときは、預金者は、貯金総額を制限額以内に減額しなければならなかったが、その通知を発した日から1か月以内に預金者が減額をしなかったときは、公社により制限額以内に減額するのに必要な限度で、その貯金の一部で国債を購入し保管された。

政府保証

  • 旧郵便貯金法第3条により、郵便貯金として預入された貯金の払戻し及びその貯金の利子の支払に係る公社の債務は、政府により保証された。なおゆうちょ銀行発足後は、民間金融機関と同様に預金保険機構に加盟し同機構により補償される扱いとなっている。ただし民営化前(休日の関係で2007年9月28日まで)に預けられた定期性貯金(定額郵便貯金・定期郵便貯金等)は郵便貯金・簡易生命保険管理機構に引き継がれ、満期後は通常郵便貯金としてさらに10年間政府保証が継続される。

印紙税の非課税

  • 郵便貯金法第6条により、郵便貯金の取扱いに係る文書類(通帳、証書、受領証類)には印紙税が課されなかった。なお、ゆうちょ銀行発足後は、印紙税の申告納付となっている(ゆうちょ銀行負担)。

権利消滅

郵便貯金法第29条「貯金に関する権利の消滅」に基づき、従来は最後の利用から10年が経過すると、管轄の貯金事務センターから利用者に対して、口座の利用を求める通知書が郵送され、その後2か月が経過しても利用がなかった場合は、その口座の貯金は自動的に国庫へ納入されていた。しかし、1995年4月からは、最後の利用(払い込み・払い出し・利息の記入・住所や印鑑の変更など)から10年が経過すると、一括払いのみが可能な口座に切り替わり、それからさらに10年が経過すると、管轄の貯金事務センターから利用者に対して、口座の利用を求める通知書が郵送され、その後2か月が経過しても利用がなかった場合は、その口座の貯金は自動的に国庫へ納入されるようになった。

ちなみに、他の金融機関では、10年間利用がない口座を「睡眠口座」として扱い、一旦は金融機関の収入になるものの、もし顧客が払い戻しを求めた場合は、それに応じなければならない。なお、ゆうちょ銀行では、最後の利用から、商法の「消滅時効」である5年間が経過した口座を「睡眠口座」としている。また、ゆうちょ銀行と同様に、最近では5年間が経過した段階で「睡眠口座」とする金融機関が増えている。

口座番号

郵便貯金は民間の金融機関と違って、13桁の口座番号を使用していた。現在のゆうちょ銀行の口座番号も同様である。これは、貯金の種類や地域などを表す5桁の「記号」と、各口座に割り振られた8桁の「番号」の組み合わせとなっている。ただし、一部で7桁の「番号」を使用しているものもある。一方で、民間の金融機関では、支店名を表す3桁の「店番」と、各口座に割り振られた7桁の「口座番号」を組み合わせた10桁の番号を口座番号として使用している。

用語

  • 郵便貯金については「口座」という呼称は用いなかった(郵便振替については使用していた)。
  • このほか郵便貯金では、
    • 口座開設の語を用いず「新規預入」、
    • 通常郵便貯金・通常貯蓄貯金の2度目以降の預入を「再度預入」、
    • 満期となった定期郵便貯金を自動的に預け替えることを「継続預入」、
    • 他の金融機関でいう預貯金の元帳にあたるものを「貯金原簿」、
    • 貯金現在額(および貸付限度額)の払戻しを「一部払戻し」、
    • 積立郵便貯金で同時に2回以上預入を「合併預入」、
    • 担保定期郵便貯金並びに担保定額郵便貯金において、払戻の際に貸付が残っている場合に、払戻金と貸付金を相殺して払い戻すことを「控除弁済」、
    • 通常郵便・通常貯蓄貯金の利用を終了する元金および利子の払戻し(民間金融機関における「解約」)を「全部払戻し」、
    • 貯金の移転や統合を「転記」
と呼称していた。
  • 郵便貯金法上、郵便貯金を預入した者は「預金者」と呼称していた。預金者とは、確定拠出年金により預入される貯金を除き、自然人並びに法人及び、団体取扱ではその団体等をそれぞれ1つの預金者とした。

通帳や貯金証書の副印鑑表示

副印鑑から印影を電子的に複写する手口にて、不正な支払いを受ける事件が多発したため、現在、銀行などの金融機関では、不正防止策として通帳の副印鑑表示自体を廃止している。しかし郵便貯金の通帳や貯金証書では、副印鑑表示を継続していた。民営化直前には、新規預入時や通帳の再交付時には、副印鑑の印影をスキャナ等で取り込みにくくするために印影保護シールを貼付していた。副印鑑表示上に印影保護シールが貼付していない旧来の通帳や貯金証書については、順次印影保護シールが貼付された。

通常貯金・貯蓄貯金の通帳冊数制限

従来より通常郵便貯金および通常貯蓄貯金の預入は、それぞれ1人1冊の通帳に限られていた。すでに通常郵便貯金を預入している預金者が、新たに複数の新規預入をして2冊以上の通帳を利用することは禁止されており(後述)、法律上そのような場合、2冊目以降の通常貯金は利子を付されなかった。

しかし多くは名寄せが行われず、1人で多数の通帳を保有する預金者があり、この名寄せの不備が郵便貯金の預入限度額の超過の他、従来より資金洗浄振り込め詐欺等の金融犯罪に利用され、これらを助長する懸念があった。このため、目下預金者情報による名寄せが取り組まれていた。
かつては貯金事務センターをまたいだ名寄せは行われていない、と堂々と囁かれていたほどであった。
  • 郵便貯金法上、取り扱いの異なる通常郵便貯金(法令約款上、通常貯蓄貯金は通常郵便貯金の形態の一つとされていた)には別通帳が交付され、通常郵便貯金・国際ボランティア貯金申込通常郵便貯金・通常貯蓄貯金Ⅰ型・国際ボランティア貯金申込通常貯蓄貯金I型・通常貯蓄貯金II型・国際ボランティア貯金申込通常貯蓄貯金II型の最大6冊が、かつては利用できる最大通帳冊数であった。
  • 2005年4月3日から、貯蓄型I、IIが統合され、国際ボランティア貯金申込の有無について別に新規預入ができなくなり、利用できる法令約款上の通常郵便貯金通帳は最大で4冊であった。
  • 団体貯金及び積立郵便貯金並びに確定拠出年金通常郵便貯金については、通帳冊数の制限はなかった。

払戻証書

郵便貯金の払戻は窓口で即時に払い戻す外、取扱局窓口に払戻請求後、貯金事務センターより払戻証書を送付し、再度取扱局窓口に提示して払戻金を受け取ることができ、無通帳で全部払戻請求の際はこの取扱になった。

ゆうちょ銀行発足後の各種取扱

ゆうちょ銀行を参照のこと。

貯金原簿

郵便貯金では、他の金融機関の預貯金のように取引店制を採用しておらず、甲種団体貯金を除き全国どこの郵便局でも預入・払戻その他の請求をすることができた。そのため、他の金融機関の取引店業務相当する事務や貯金原簿、払戻証書の取扱、各地の貯金事務センターが行っていた。ただし、オンライン化されてから以降も、一部の貯金や請求は貯金事務センターの管轄をまたぐと取扱ができなかった。

団体貯金

郵便貯金では団体での取り扱いをすることができた。

現金自動預払機

  • 郵便貯金キャッシュサービス」と称された。当初はキャッシュカードのみによる郵便貯金の払い戻しに限定したキャッシュディスペンサー(CD)であったが、後年、キャッシュカードのみによる預け入れも可能なもの(ATM-C)、通帳の取り扱いの可能なもの(ATM)、通帳には対応していない払込専用機(APM)、通帳・硬貨の取り扱いが可能で預け入れ・払い戻し・払込とも対応したもの(ATM-P)、と、機能が拡大された。機器の小型化が進んで以後はキャッシュディスペンサーは姿を消した。
  • 通帳の取り扱いが可能な機種では、郵便貯金に限らず、簡易生命保険の取り扱い、さらには民間金融機関やクレジットカード会社の入出金サービスも、民営化以前から提携により行われていたが、それらの機種に対しても「郵便貯金キャッシュサービス」と称された。
  • 1月1日~1月3日を除きすべての日に現金自動預け払い機(ATM)での預け払いが可能であった。ただし、定額定期の預入など、土曜、日曜、休日には利用できないサービスも一部にはあった。1991年からは「ホリデーサービス」と称して繁華街などにあるATMを日曜・休日にも稼動させるようになったが、5月3日から5月5日までについては2001年から2006年までを除いて休止した。
  • ATMの取り扱い手数料はすべての時間帯で無料であった(提携金融機関のATMでの利用には所定の手数料が必要だった)。
  • 民営化直前には、全国17箇所のATMで24時間サービスを試行的に実施していた。
  • 相互送金の提携をしている民間金融機関への振込も取り扱っていた(ただし、窓口扱いであっても通常郵便貯金・通常貯蓄貯金ないしは一般振替口座からの引落でなければならなかった)。取扱い時間は窓口・ATMとも平日の午前9時から午後3時までであった。

貯金の種類

通常郵便貯金(通常貯金)

自由に預入、払戻しができるほか、給与預入、年金や配当金の自動受取り、公共料金や代金等の自動払込みを利用できた。預入は10円以上1円単位。付利最低残高ならびに付利単位は10円。付利日を4月1日とする1年複利。通信端末による利用サービス「郵便貯金ホームサービス」も利用できた。送金の受け払いは別途郵便振替口座を開設して行ったが、概ね、民間金融機関の普通預貯金に相当する。

郵便貯金総合通帳(愛称 ぱ・る・る)

一冊に通常貯金と定額貯金、定期貯金を預入できる通帳。払戻しや自動払込みなどで通常貯金の残高が不足した場合、預入された定額貯金、定期貯金を担保に自動的に貸付され、支払いが受けられた。貸付金の返済は、通常貯金への預入によって自動的に行われた。民間金融機関の総合口座に相当するが、担保貯金の預入や自動貸付けは未成年の預金者についても利用できた。

新総合通帳(愛称 ぱ・る・る)

通常郵便貯金の記号番号と同一の口座番号とする郵便振替口座を組み合わせて開設し、一冊の通帳で取扱う郵便貯金総合通帳。総合通帳のサービスのほか、郵便振替の電信による振替(他の加入者口座への送金)、払出し受入れ自動払出預入(受取人の、新総合通帳でない通常貯金に預入する送金)が利用できた

  • 利用に当たっては預金者が予め1,000万円以内の金額で「移替基準額」を設定し、通帳に貯金の預払いがあったか振替口座の受払いがあったかにかかわらず、通帳現在高のうち基準額までの金額を通常貯金の預入金とし、基準額を超える金額を郵便振替口座の預り金(無利子、預り限度額なし)とした。これを「自動移替」(じどういたい)といった。
  • 移替基準額以下の現在高で郵便振替を利用する場合は、電信送金等の手続き時に、自動的に送金額が通常貯金から預金者の振替口座に移し替えられた。
  • なお、この通常郵便貯金・通常貯蓄貯金に併設されている郵便振替口座のことを「自動移替口座」といい、払込みは1円以上1円単位であった。詳しくは郵便振替を参照。
  • 郵便貯金ホームサービスにより郵便振替の電信送金も利用できた。

国際ボランティア貯金

預金者の申込みにより、その利子のうち20%~100%の範囲で指定した割合の金額を自動的に民間海外援助事業団体に寄附する貯金。通常貯金および貯蓄貯金が対象となり、「郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律」に基く制度であった。

通常貯蓄貯金(貯蓄貯金)

2段階の基準額を設け(10万円、30万円)、最終貯金現在高が基準額に達した日について通常貯金よりも高い利率を適用する貯金。4月1日と10月1日を付利日とする半年複利。自由に預入、払戻しができたが、給与預入、年金や配当金の自動受取り、公共料金や代金等の自動払込みは利用できなかった。民間金融機関の貯蓄預貯金に相当する。

  • 通常貯金同様、通帳の記号番号と同一の口座番号とする郵便振替口座を組み合わせて開設し、一冊の通帳で取扱うサービスが利用できた。この振替口座のサービスは「新総合通帳」に準じた取扱いとなった。
  • なお2005年3月31日までは、基準額を30万円とし、後述の(貯蓄型II)より高い利率を適用したが、月6回目以降の払戻に手数料を定める「通常郵便貯金(貯蓄型I)」と、基準額を10万円とし、払戻回数に制限を設けなかった「同(貯蓄型II)」の2種類を取り扱っていたが、2005年4月1日から、従来の貯蓄型IIに2段階の基準額を設ける取扱いに集約された。

定額郵便貯金(定額貯金)

預入日から6ヶ月間据え置き、その後は自由に払戻でき、最大10年まで預入できる貯金。利便性の高い郵便貯金の主力商品であった。利子は月割りによる半年複利。取り扱いや利子の計算を簡易に行うため、一口の預入金額を定額(現在は1,000円、5,000円等)に定めた事が名称の由来である。英語では通常“Teigaku-Saving”の呼称で案内されたが、逓信総合博物館においては説明文に“Fixed Amount Saving”の語を用いていた。

自動積立定額郵便貯金(オート定額)

定期的に通常貯金から振り替えて預入する定額貯金。概ね、民間金融機関の積立定期預金に相当する。

定期受取型定額郵便貯金

一時に、またはオート定額により積み立てて預入し、定期的に一部金額づつ払戻す定額貯金。

定期郵便貯金(定期貯金)

預入期間を定めて預入する貯金。民間金融機関の定期預貯金に相当する。愛称「ニュー定期」。郵政民営化の影響により2007年10月以降は自動継続できなかった。

自動積立定期郵便貯金(オート定期)

定期的に通常貯金から振り替えて預入する定期貯金。

積立郵便貯金(積立貯金)

毎月、1,000円以上100円単位の一定の金額を集金又は窓口で一定の期間繰り返し預入し、据置期間経過後(満期日)に一括して受け取る貯金。訪問集金を前提とした貯金であり、概ね、民間金融機関の定期積金に相当する。

住宅積立郵便貯金

積立満了後2年間を据置期間とし、公庫の住宅資金融資の斡旋(あっせん)が受けられる積立貯金。据置期間満了日の2年後を満期日とし、据置期間経過後はいつでも払戻せた。利子は月割。

  • 据置期間満了日の1年前から据置期間満了日の2年後までのうち、貸付けを受けたい時期を予め年度で指定した。
  • 独立行政法人住宅金融支援機構法により、2007年3月限りで旧住宅金融公庫は廃止されたが、これに先立ち取扱い内容が縮小され、民営化直前には沖縄県における住宅建設、購入、改良の希望者を対象とした貯金となっていた。斡旋による融資は沖縄振興開発金融公庫が行っていた。
  • 従来は全国の同様の希望者を対象にし、住宅金融公庫(および沖縄公庫)へ斡旋を行う貯金であった。制度変更前の預金者は、引き続き当該預金者貸付業務を承継した住宅金融支援機構への斡旋が受けられた。

教育積立郵便貯金

1年以上5年以内の期間積み立て、満期後に、国民生活金融公庫による積立額と同額の親族の教育資金融資の斡旋が受けられる積立貯金。

関連業務

キャッシュカード

キャッシュカード

郵便貯金のキャッシュカードは凸版印刷共同印刷日立マクセル等により製造されていた(カード裏面にメーカーの記載があった)。浮出し文字により氏名と貯金の記号・番号が打刻されていた。初期のものは黄色を基調としたデザイン(ていぱーくに実物が展示されている)。その後黄緑色、1990年代半ばに緑をベースしたデザインに変わった。90年代初期には複数のイラスト入りデザインのカードが用意され、預金者がデザインを選べたこともあった。郵政公社発足後はクリーム色をベースにしたデザインとなった。郵政省総務省日本郵政公社の時期に発行されたカードがあるが、いずれもゆうちょ銀行発足後もそのまま使用できる。

ただし、通常郵便貯金通常貯蓄貯金のデザインの区別はなかった。また、七十七銀行などで見られるようなエンボスなどでの区別もなかった。そのため、発行時期などの違いによってデザインが違ってしまった場合を除き、各貯金の記号・番号の違いでのみしか区別できなかった。

ICキャッシュカード

2006年10月2日からは、ICチップを取り付けたEdy(エディ)との提携カードの発行を開始した(申し込みの際、通常のICカードまたはEdy機能付きICカードのいずれかを選択できた)。指静脈認証付きで、エンボスレスカードとなった。新規発行、既存カードからの切り替えいずれの場合も発行手数料は徴収しなかった(但し、切り替えの際にはキャッシュカードの提示が必要であり、提示できない場合は有料の再発行扱いとなった)。また、一般の郵貯ジョイントカードとは異なって通常のキャッシュカードであったため、有効期限の設定はなかった。

  • 製造をNTTデータに委託していたため、配達記録郵便で送付される際の発信元が日本郵政公社ではなくNTTデータとなった。そのため、発信元を不審に感じるカード申し込み者が受取を拒否しないように、「カードを送る配達記録郵便の発信元はNTTデータです」という案内が必ず窓口で申し込みした際に行われていた。
  • 生体認証による取引は一部の簡易郵便局を除く郵便局の貯金窓口または「指静脈情報による本人確認対応の郵便貯金ATM」に限られていた。
    • 一部の郵貯ATM相互間利用提携金融機関のIC対応ATMでも利用が可能だったが、金融機関によっては対応が異なった。
    • なお、生体認証登録済みの郵貯ICキャッシュカードは
みずほ銀行三井住友銀行りそな銀行埼玉りそな銀行秋田銀行東北銀行常陽銀行武蔵野銀行千葉銀行千葉興業銀行八千代銀行第四銀行北越銀行福井銀行京都銀行近畿大阪銀行紀陽銀行但馬銀行山陰合同銀行阿波銀行福岡銀行佐賀銀行肥後銀行宮崎銀行鹿児島銀行みずほ信託銀行住友信託銀行栃木銀行京葉銀行愛知銀行第三銀行高知銀行及びICキャッシュカードを発行している一部の信用金庫とICキャッシュカードを発行している一部の信用組合の各生体認証対応ATMでは暗証番号の他に「指静脈情報」による認証も必要となった。
  • 共用カードとは別に申し込みができた。共用カードは1口座3枚までとなっていたが、既に共用カードを3枚持っている場合でも、それとは別に申し込みできた。
  • 代理人カードもICカードの申し込みができた。
  • デザインは、郵政公社時代に発行されたぱ・る・る通帳ベースのデザインとなり、通常貯蓄貯金のキャッシュカードもこのデザインで発行されていた。当然ながら、民営化前後のデザインの違い、ないしは、印字される発行年月、発行時にEdyの要不要の選択などによって、通常郵便貯金(民営化後は通常貯金)か通常貯蓄貯金かを判断するしかない。

共用カード

クレジットカード等とキャッシュカードの機能を1枚にまとめた郵便貯金共用カード(愛称・ジョイントカード)も発行されていた。クレジットカード以外にも、航空会社のマイレージカードや自治体発行の住民カードと一体化したカードが発行されていた。所持できるのは1つの通常貯金につき3枚までであった。なお、ジョイントカードの発行後は、それまで使用していたキャッシュカードは、一定期間経過後使用できなくなった(ICキャッシュカードの場合は従前通り利用可能であった)。

オンライン

全国2箇所の計算センター(印西市神戸市)から各拠点(PS)を経由し各郵便局・各ATMを結んでいた。各郵便局へは専用線が引かれていた(ISDNPNET)。

1990年代初頭まで、離島などでは電話回線の数が不足していてオンライン端末機(CTM)が設置されていない局(オフライン局)があった。常時開設のオフライン局では、窓口端末機(印字専用の機械)や乙号為替日附印・金額機(ナンバリング機)にて貯金通帳へ印字していた。2005年3月31日をもって東の川簡易郵便局奈良県)が廃止、的場簡易郵便局山形県)が一時閉鎖(その後、2007年4月30日付廃止)されたため、民営化直前は存在しなかった。なお、オフ局での新規預入の場合、非オンライン様式の通帳が専ら使われたが、1990年代になると、予めオン局において採番した通帳を使って通帳交付が行われるようになり、この場合磁気テープ付オンライン冊子が使われ、交付後にオンライン用のエンコードを行って用いることも可能であった。一方、貯金を扱わない郵便局には端末機は設置されず、通常は貯金の端末機を使って発行する普通為替証書は昔ながらの手作業で作成された。

災害時にはパラボラアンテナを搭載した自動車スペースポスト号)による移動式の郵便局が開設され、衛星通信によりデータの送受信を行うか、オフラインにより処理された。

イメージキャラクター

初代ユウちゃんの描かれた温度計
初代ユウちゃんの描かれた温度計
古い看板に残された初代ユウちゃん
古い看板に残された初代ユウちゃん

詳細はユウちゃんを参照。

郵便貯金のイメージキャラクターはリスの「ユウちゃん」であり、俗に「貯金リス」とも呼ばれて民営化直前まで局の吊り看板などに見られた。その他に、現金を入れる封筒にカニの絵が描かれていたこともあった。ハサミの音「チョキン、チョキン」が「貯金」に通じるためであった。

1990年にモデルチェンジし、サンリオによるデザインの姿になった。愛称は引き続き「ユウちゃん」。妹の「アイちゃん」や他の家族も追加された。

郵政民営化により初代および2代目の「ユウちゃん」・「アイちゃん」とも、民営化会社であるゆうちょ銀行では「使用不可」となり、同社では公式キャラクターを制定していない。

脚注

  1. ^ 郵貯資金の運用状況(2007年8月末)・郵便貯金ホームページ

関連項目

外部リンク

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