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スキポール空港の管制塔 (Air Traffic Control Towers. 略称:ATCT)
航空交通管制(こうくうこうつうかんせい)とは、航空機の安全かつ円滑な運行を行うために、主に地上から航空交通の指示や情報を航空機に与える業務のことである。航空管制とも。
概要航空交通管制(こうくうこうつうかんせい、以下「管制業務」と略、Air traffic control. 略 ATC)とは、航空機相互間及び走行地域における航空機と障害物との間の衝突予防並びに航空交通の秩序ある流れを維持促進するための業務をいう。管制業務を行う資格を有し、かつ当該業務に従事している者を航空管制官(Air traffic controller)という。 管制業務は航空交通業務のうちの1つとして位置付けられており、航空交通業務は以下の業務の総称をいう。
飛行場管制所は、空港内管制塔のVFRルームで、ターミナル管制所はたいてい管制塔内VFRルーム階下にあるIFRルーム(レーダールーム)で業務を行っている。日本では大きく4つに空域を分割し、札幌、東京、福岡、那覇の各航空交通管制部で航空路管制業務を行っている。 レーダー管制業務を開始するためには航空機に対してレーダー識別をしなければならず、識別されるまではレーダーを用いない航空路管制業務が実施される。したがってレーダーを用いない航空路管制業務はレーダーを用いる航空路管制業務の技能試験を受験する際に予め取得していなければならない(航空交通管制職員試験規則)。 管制業務の例東京国際空港(羽田空港)から大阪国際空港(伊丹空港)までのIFR(計器飛行)を例にとると、出発から到着までの管制業務の流れは概ね次のようになる:
飛行場管制空港の管制塔では、飛行場とその周辺を航行する航空機を、目視により管制する。飛行場管制は、無線交信を担当する席と直通電話等を使用して調整を行う2席のみであるが、規模の大きい空港においては2席のみではトラフィックを捌ききれないため、いくつかの席に分けて行われている。 詳細は飛行場管制を参照 ローカル(飛行場管制席)即座に空港もしくは飛行場の環境をコントロールする第一の方法は管制塔(コントロール・タワー、TWR, 飛行場管制席)からの目視による監視である。このタワーは飛行場敷地内に建てられており、飛行場面や周辺を飛行する航空機が見渡せるように高く、風に強い構造である。タワーにいる管制官は、飛行場周辺の上空(管制圏内)を飛ぶ航空機 、飛行場内の誘導路と滑走路上で移動する航空機や業務車両などの交通整理の責任を負っている。空港によっては、地上の航空機などを表示するレーダーを備えるところもある。 グランド(地上管制席)グランド・コントロール(GND)は航空機が地上を走行(タクシング)し、移動する許可を与える管制部門。比較的トラフィック(交通量)の多い空港に設置されている。
グランドコントロールは、滑走路以外の空港内での航空機や業務用車両(牽引車、荷物の積み込み車、除雪車など)すべてに承認を与え管理するので、出発機や到着機はもちろん、夜間のスポットチェンジなど牽引車が航空機を移動させる場合にも、許可を与える。 一般的に航空無線の公用語は英語であるが、航空機以外の業務用車両と交信する場合は、現地の言葉で行われる事もある。 日本では航空管制官が管制する空港にはほぼすべて設置されているが、トラフィックの少ない地方空港などでは、タワーの代わりに航空管制運航情報官が交通情報、気象情報を提供するレディオ空港 (RDO) や航空管制運航情報官が遠隔地より情報を提供するリモート空港がある。 航空管制官配置空港
交信例: Japan Air 111 Push back approved. Runway 34. Face to the east.
Japan Air 111 taxi to Runway 34 via B-1 A-1.
ローカル・コントロール基本的には滑走路への離着陸の許可を発する部署である。コールサインでは「タワー」と呼ばれることが多い。規模が小さな空港では、グランド・コントロールやクリアランス・デリバリーの役割も担当する。
交信例: Japan Air 111, hold short of runway 34. Number 3. We have 2 landings before you.
Japan Air 111, runway 34. Line up and wait(日本では2006年10月までTaxi into positon and holdと言っていた) . Traffic taxing off the runway.
Japan Air 111, wind 010 degrees at 5 knots. Runway 34. Cleared for take off. Landing traffic inbound 4 miles on final.
クリアランス・デリバリー(管制承認伝達)航空機の飛行方式には、大別して計器飛行方式 (IFR) と有視界飛行方式 (VFR) の2種類がある。クリアランス・デリバリー(または単にデリバリー。CLR, 管制承認伝達席)は、そのうちIFRで飛行する航空機に無線で管制承認を与える機関である。 一般航空会社の大型旅客機は、ほとんどすべてがこのIFRで飛行するので、最初にクリアランス・デリバリーと交信し目的空港まで飛行計画の承認を得る。 あらかじめ提出されているフライト・プラン(飛行計画)にそって管制官によって確認され、目的空港・出発経路 (SID)・最終飛行高度・離陸後飛行高度・トランスポンダー識別コードの相互読み上げ確認が行われる。確認が済むと管制承認は完了し、#グランド・コントロール(地上管制)と交信するよう伝えられる。 クリアランス・デリバリーは、日本では第一種空港をはじめとするトラフィックの多い空港に設置されている。地方空港などでは、グランド・コントロールやタワーが役割を代替しているケースが見られる。 交信例: Japan Air 111, cleared to Fukuoka Airport via Zama 9 departure, Nagoya transition then flight planned route, maintain 12,000, expect flight level 370. Squawk 2146. Read back please.
Japan Air 111 read back is correct. Report when ready, then contact ground 121.8.
進入・ターミナルレーダー管制詳細は進入・ターミナルレーダー管制を参照 大きな空港には管制塔に関連したレーダー管制設備を備えており、これらはアメリカ合衆国ではTRACON(Terminal Radar Approach CONtrol, ターミナルレーダー進入管制)と呼ばれている。おのおのの空港で違いがあるが、TRACONは普通空港から30 - 50 海里及び地上から10,000フィートの範囲で交通の管制を行っている。 ディパーチャー(出域管制)ディパーチャー(出域管制、DEP)は、離陸したIFR機をレーダーを使って航空路まで誘導、監視を行う部門あるいは管制席。 タワーで離陸許可を得て離陸後、上昇飛行を続ける航空機は、飛行場管制席から出域管制席にHAND OFF(管制移管)される。原則として各飛行場には SID(Standard Instrument Departure, 標準計器出発方式)というものが設定されていて、航空機はそのルートや高度制限に従って飛行して、航空路に合流することになる。また、このSID終了点から航空路まで移転経路 (Transition Route) が設定されている場合もある。 出域管制席の管制官は、離陸した航空機がSIDに従って飛行や上昇しているかを監視し、場合によってはレーダー誘導を行う。 交信例: Japan Air 111, radar contact. Climb via Nagoya 1 Departure.
Japan Air 111, radar contact. Fly heading 020 for vector to Krobe. Climb and maintain 8,000 until further advice. Traffic, 11 o'clock, 20 miles, south bound, YS-11, 11,000 descending to 9,000.
Japan Air 111, resume own navigation direct ESPAN(日本では2006年10月まで cleared via present position direct ESPAN と言っていた).
アプローチ(入域管制)アプローチ(入域管制、APP)は航空路を飛行中の航空機を、滑走路、もしくは場周経路(トラフィックパターン)まで誘導、監視を行う管制部門。 航空機は目的地飛行場に近づくと、航空路を離れ降下しながら滑走路に向かう。通常、航空路は滑走路まで設定されることはなく、航空路から飛行場(正しくは着陸する滑走路に進入降下する地点)まで、STAR(Standard Terminal Arrival Route, 標準到着経路)というものが設定されている。航空路を飛行中の航空機は、STARに従って滑走路に進入することになる。ただし管制圏の設定のない飛行場によってはSTARが設定されていない場合もある。入域管制(席)の管制官は、航空機がSTARに従って飛行や降下しているかを監視、もしくはレーダー誘導によって到着機同士の管制間隔を設定したりする。 交通量の多い飛行場の場合、到着の航空機はあらゆる方向から飛んでくるため複数のSTARが設定されている。着陸機が複数いる場合、STARを飛行中の航空機が順序良く着陸できるように航空機同士の間隔を設定する必要がある。入域管制を担当する管制官はレーダーを用いて速度調整や誘導(レーダーベクター)を行い、着陸する滑走路まで一列になるようにする。 STAR上に悪天候が存在し航空機から回避の要求があればそれに応じて到着経路を変更したり、何らかの事情で滑走路が閉鎖になった場合は上空で待機の指示を出したりする。離陸後四方八方に分かれる出発と違い、複数地点から来る航空機を要求された間隔で最終的にひとつの地点に誘導しなくてはならないので、管制官にも即時の判断や誘導技術が問われるセクションである。 着陸する滑走路が近づいてくると、タワーとの交信が指示され、着陸許可を得て着陸。その後グランド・コントロールと交信し、誘導路を到着スポットまで向かう流れとなる。 交信例: Japan Air 111, fly heading 200 for vector to final approach course. Descend and maintain 10,000.
All Nippon 232, turn right heading 330 for spacing.
JA4121, turn left heading 340 to Intercept localizer. 12 miles from outer marker. Cleared for ILS runway 34 approach.
GCA(着陸誘導管制)詳細は着陸誘導管制を参照 管制官が音声により航空機を滑走路まで誘導する管制席。管制官はPAR(精測レーダー)を用いて、航空機に対して、一方的かつ連続的に機首方位などを指示し、航空機を誘導限界点まで誘導する。おもにILSを備えていない航空機、戦闘機などに対して行われる。肉声で誘導するが精度としてはILSのカテゴリー1に相当する。 交信例: All Nippon 232, this is Nagoya final controller radio check. How do you read?
This will be a PAR approach to runway 34. Guidance limit 60 feet from runway. Your missed approach procedure is following ILS Runway 34 missed approach. Do not acknowledge further transmission.If no transmission is received for five seconds on final approach, attempt contacting tower on 118.7 .
Peform landing check.
Gear should be down.
Approaching glide path.
Begin descent.
Turn right heading 346, slightly left of course and going to left of course quickly, on glide path
Turn left heading 338, come back to course slowly, on glide path.
4 miles from touch down, on course, slightly above of glide path. Adjust rate of descent.
On course,on glide path, heading and rate of descent are good.
Guidance limit, take over visualy, if runway not in sight execute missed approach.
Contact tower 118.7 after landing.
ATIS詳細はATISを参照 ATIS(エイティス、アティス。Automatic Terminal Information Service, 飛行場情報放送業務)は滑走路への着陸方式・使用滑走路・空港の気象情報・航空保安施設の運用状況等を地上から航空機へ無線を使ってエンドレスで放送するサービス。航空機の飛来が多い空港で行われている業務である。 通常は毎時0分、30分の更新で、気象状況が変わりやすいときは随時更新される。情報はA(アルファ)からZ(ズールー)までのアルファベットを順に使って改訂される。放送内容は英語で送信される。航空管制運航情報官(旧:航空管制通信官)の録音によるもの、または合成音声(録音された単語データを必要に応じて組み合わせる 電話の時報と同じ手法)によるものがある。出発や到着前には、最新の情報を受信し、自分が持っている情報(情報記号AなのかBなのか)を管制官に報告する義務がある。 放送例: Tokyo International Airport information November, 0630. ILS number one runway 34 left approach and ILS number two runway 34 right approach. Landing runway 34 left and 34 right, departure runway 34 right. Departure frequency 126.0. Parallel ILS approaches to runway 34 left and right are in progress. Wind 320 degrees 10 knots. Visibility 20 kilometers, sky clear. Temperature 25, dewpoint 20. QNH 30.00 inches. Advise you have information November.
日本のATIS設置空港は、上記の放送例と同じ形式で放送される。 ATISの実際の活用例
30分の間に" "の部分が更新されたことになる。着陸方式がILS36からILS18に、風向きは80度から160度に、QNHが30.00インチから29.90インチに変わっている。 パイロットによって持っている情報が違うときがある。例えば、最初の交信でパイロットが "We have Alpha" と管制官に報告した場合、最新の情報番号は Bravo なので、管制官はパイロットに対して、"Now informartion Bravo. Using runway 18, QNH 29.90." などとAlphaとBravoで情報が変わっている部分を訂正する必要がある。 航空路管制詳細は航空路管制を参照 航空機が飛行場を離陸して航空路に合流すると、出域管制から航空路管制に管制移管される。目的地の飛行場への着陸進入体制に入る(アプローチへの管制移管)まで、飛行中は航空路管制の管轄になる。航空路管制(エンルート)のことをセンターとも呼ぶ。 センターの管制官はアメリカなどの場合エアルート交通管制センター (ARTCC)、日本などの場合エリア管制センター (ACC) と呼ばれる機関で業務を行っている。各センターは何千平方マイルといった膨大な空域を航行中の航空機の動向をレーダーを用いて監視している。 VOLMET放送詳細はVOLMET放送を参照 洋上を航行している航空機に対し、主要空港の気象情報を短波 (SSB) を使って放送している。日本は太平洋ボルメット地域に属しており、2,863・6,679・8,828・13,282の各kHzで、毎時10分と40分に気象庁本庁から放送している。聴き続けていると管轄各地の天気が分かる。
日本の場合日本では国土交通省航空局の管轄下において、4つの航空交通管制部を設置している。 日本国内に発着しない飛行機も、管制空域内では日本の管制下におかれる。
2005年と2006年に種子島宇宙センターから打ち上げられた運輸多目的衛星(MTSAT)「ひまわり6号」および「ひまわり7号」を使って、洋上やVHF通信のブラインドエリアを飛行している航空機との間で、各種データ通信を行う事ができるようになる。 そのため、レーダーでの監視ができない洋上において、運航本数を増やす事ができる[1]ようになる。 航空保安施設航法援助施設
レーダーサイトレーダーは主に飛行中の航空機の位置と高度を把握するために用いられる。レーダーサイトには空港監視レーダー (ASR)・二次監視レーダー (SSR)・空港面探知レーダー (ASDE)・精測進入レーダー (PAR)・航空路監視レーダー (ARSR) ・洋上監視レーダー(ORSR)などがある。
レーダースクリーン上には航空機の速度も表示されるが、これは二次レーダーによるものではなく、一次レーダーの情報から解析した対地速度である。 脚注
関連項目参考文献
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