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自動改札機(じどうかいさつき、Turnstile)は、鉄道駅や空港などの施設の改札口(搭乗口)に設置されている機械で、改札業務を人間に代わって行うものである。 メーカーの仕様書では「自動改札装置」という名称になっている場合もあるが、ここでは一般に呼称されている「自動改札機」と表記する。
概要改札機には入場専用・出場専用・入出場両用の3種類があるが、台数としては両用が最も多い。このうち、入場専用と出場専用は両用に比べて若干コストが安く、台数の多い駅などでよく使われている[1]。また、一部の無人駅では入場専用の自動改札機のみ設けている。 当初は乗車券の確認を行うだけであったが、近年では以下のような機能を備えたものも増えている。
乗車券類を投入せず通過しようとしたり、精算が必要な乗車券や無効な乗車券を投入したりすると、警告チャイム音とともに扉が閉まるようになっている。この扉をフラップドアと言う。また、小児用の切符が投入された時は「こども」のランプが点灯し[7]、運賃割引適用の乗車券が投入された時は「割引」のランプが点灯する。 途中下車への対応は、機種や乗車券のパターンにより可否があり、途中下車可能な乗車券であっても自動改札機に投入した場合は回収されることもあるので、注意が必要である[8]。途中下車に対応していない場合は有人改札口を利用することになる。 JRの近距離乗車券や駅の入場券には制限時間が設けられており、一定時間を過ぎた乗車券や入場券を改札機に投入すると時間超過でゲートが閉まり通過できなくなるため[9]、有人改札口を利用することになる[10]。 構造現在広く使われている自動改札機の構造としては、改札を通る人間を赤外線で感知するセンサー部、切符・プリペイドカード(乗車カード)を投入・返却する口、切符に入・出場時刻などを印字・記録する装置、普通乗車券で入場した場合に入鋏の替わりにパンチ穴を開ける装置、回収した切符を収納する収納箱などからなる。内部には複数のCPUが搭載され、情報処理を行う。通過データ(収入・人員)を記録する機能も持つ。 外観としては、古いタイプは改札機の筐体上部に検知バーが柵のように付いていて、さらに改札通路の天井に通行可(○や↑マーク)、通行不可(進入禁止マークなど)が示されていて、どの改札を使えるかが遠くから見ても分かるようになっている。また、新しいタイプは検知バーがなく、さらには天井の進入禁止マークなどもなくなっているものが見受けられる。近年では、古いタイプの老朽化に伴って新しいタイプのものへと更新された駅もあり、ICカード乗車券を導入する多くの事業者で行われている。 改札機の制御をするため、駅務室内に「監視盤」と呼ばれる操作卓が置かれる。監視盤にはリセットボタンが設けられていて、タッチパネルの画面では異常が発生した時にどのような状況か確認できるようになっている[11]。改札機単体で使用される訳ではなく、必ず監視盤とセットとなる。また、監視盤は改札機の台数分は必要なく、改札1か所につき1台である。 自動改札機に通す切符などには、磁気や半導体メモリによって情報が記録されており、この情報を機械で読み取り、それを基に改札の通行を許可するか否かの判断が行われる。磁気情報を入れることができるきっぷは裏面が黒くなっている。
乗車券投入後の流れとしては、【投入口→複数枚分離部→整理部→裏向き専用読み取りヘッド→表向き専用読み取りヘッド→反転部→保留部→書き込みヘッド→確認ヘッド→パンチ・印字部→集札・放出部】の順番になっている。事業者毎に内部の構造は若干異なるが、投入口から放出部までは、切符(パンチあり)の場合約0.7秒前後である。 旧来の自動改札装置では、裏向きに投入した場合に備えてヘッドが計6個付いていたが、新型ではコストダウンなどで反転部が開発され、裏向きでも表向きに直して計4台のヘッドで済むようになり、パンチ部や印字部も1台ずつで済むようになった。 保守の際、旧来の自動改札装置ではカバーを開けて搬送部全体を上に持ち上げて行っていたが、新型の自動改札装置ではカバーが大きく開き、搬送部全体が見え、持ち上げることなく楽に保守できるように開発された。 構造上機械的な動作部分が多いため、夏場などポケットに入れた切符が汗を含んでコシがなくなる状態になると、読み取れずに扉が開かなかったり、機械内部で絡まったりする異常動作を起こすことが多い。また、特に乗降客の多い都市の主要駅に設置されているものは、使用頻度の過多により保守が追い付かず、故障が発生していることがしばしばある。なお、磁気情報が消去してしまっても券面の印字があれば有人改札で対応できるが、印字が不鮮明になったりして券面表示事項を汚損・損傷した場合は無効となり、場合によっては列車の始発駅からの運賃を精算しなければならない場合もある。 自動改札機本体の価格は、最低でも1台650~700万円近く掛かり、多機能なものになると1台1,000万円~1,500万円を超える。近年は高機能化により価格が上昇している。実際には、その他にも、監視盤(制御用の操作卓)、架台(改札機本体を床面に据え付ける土台部分)、改札機と接続するデータ集計機のソフトウェアなどの費用が必要である。 寸法多くの自動改札機の通路の幅は55cmであり、路線バスの料金収納機の横の通路よりは広い。
特殊な改札機JR東日本では、2005年頃から主要駅にある自動改札機の一部をICカード(Suica)専用改札にしている。第1号は、新川崎駅。新幹線改札にも導入済み。また京阪電気鉄道・阪急電鉄・南海電気鉄道・近畿日本鉄道・神戸電鉄・大阪市交通局・神戸市交通局・神戸新交通では従来機と並行してICカード(PiTaPa)専用改札機を一部の駅で導入しており、2007年にはJR東海にもICカード (TOICA) 専用改札が登場した。これらは従来の改札機と区別するために周りをステッカーで覆ったり、本体照明でライトアップしたり、またICカード専用である旨を天井や床の矢印で案内している。前者は以前乗車券も投入することができたが、それを塞いで乗車券を投入できないようにしている。後者は乗車券も投入できる自動改札機を撤去して、その部分に専用改札機を設置している。日本以外では、乗車券が全面IC化されているシンガポールMRT、台北捷運、韓国の空港鉄道や近年開業した地下鉄などでは、全駅の自動改札機がICカード専用自動改札機となっている。 導入の背景には、以下の点が挙げられる。
などがあるが、定期外客の多い土曜・休日を中心に磁気式乗車券で改札を通ろうとする利用者が間違って専用改札に向かう例が多く見掛けられ、利用者が混乱するなど問題点がある。 また、高松琴平電気鉄道では自動改札機が利用できるのはICカードIruCaのみで、それ以外の普通券などは磁気化されていない。 また、自動改札機ではないが、主に磁気カード方式の乗車カード適用外地域でICカードによる乗降を認めている無人駅や、ICカードが利用可能で自動改札機が設置されていない有人駅、3社以上で改札内部を共用する共用駅ではICカード専用のカードリーダ・ライタとして簡易型自動改札機あるいは簡易式自動改札機を設置している場合がある。この場合、乗・降車に際して対応した単機能式のカードリーダ・ライタを設置し、乗降時にそれぞれICカードをカードリーダにかざす[15]ことによって乗降(入出場)する。もしかざし忘れた場合、ICカードが使用できなくなったり、正規の運賃が差し引かれなかったりすることがある。 改札外を経由する乗り換え専用自動改札機東京地下鉄(東京メトロ)や都営地下鉄、大阪市営地下鉄、神戸市営地下鉄および福岡市地下鉄では、同一事業者の路線同士であっても一旦改札外に出ないと乗り換えできない構造の駅がいくつかある。この場合、乗り換え元の駅を出る時に特定の改札機から通る、または最初の駅で予め乗り換え用の乗車券を購入することで、切符を持ち越すことができるようになっている。慣れない人は、特に出場改札を間違えて損をするケースが多い。 例えば、ある駅で東京メトロX線と東京メトロY線が改札内部を共有していないとする。この駅でX線からY線へ乗り換えるためには、X線の乗り換え専用改札(東京メトロの場合、オレンジ色の改札)を使って改札外に出る。それ以外の改札を利用すると、この駅で下車するとみなされ乗車券が回収される。そして、Y線側の改札をX線を出る時に再び受け取った乗車券で入る。 乗り換えの際には乗り換え時間に制限が設けられている場合がある。東京地下鉄、都営地下鉄、大阪市営地下鉄の場合は30分、神戸市営地下鉄の場合は90分、福岡市地下鉄の場合は120分となっている[16]。それぞれの時間を超えると、乗り換え先の駅の改札を通ることができなくなるので、新たに乗車券を買い直す必要がある。以前は改札外乗り換えに時間制限が設けられていなかったために改札外でしばらく時間をつぶすことができたが、これは1枚の短距離乗車券で事実上途中下車を認めることになり、また場合によっては事実上往復乗車に近いような片道利用も可能であったため、そういった状況を防止するための措置である。 定期券の場合は元々途中下車が認められているため、券面区間内であれば乗り換え専用改札を利用しなくても乗り換えは可能であり、乗り換えの時間制限もない。また、乗車カード(東京におけるPASMO・パスネットなど)の場合でも乗り換えの時間制限はあるものの、「乗り換え専用改札機を通らなければならない」という制限は通常設けられていない。 駅の構造上改札を出ずに乗り換え可能な場合は、改札外通路を使っての乗り換えはできない。よって改札を出た時点で下車したものとみなされる。ただし、例外として東京メトロ大手町駅の場合は、東西線と半蔵門線・丸ノ内線の乗り換えでは一旦改札を出て乗り換えるように案内されている。同駅は半蔵門線開業時にすべて改札内で各線のホームがつながることとなったが、改札内通路だけでは遠回りになることがあるので、現在でも半蔵門線の開業前と同様に乗り換えられるようにして乗客の便宜を図っている。 また、神戸市営地下鉄の新長田駅では改札を出ずに乗り換え可能であるが、一旦改札を出て乗り換えることができる。 不正乗車防止新システムを搭載自動改札を通った人物の性別や年代を瞬時に判別する機能を搭載した自動改札機をオムロンが開発している。大人なのに子供料金のきっぷで通過したり、強行突破などの不正乗車への対策をさらに強化、不正常習者の特定を円滑にする目的がある。2008年3月4日に公開され、2008年夏をめどに鉄道事業者に販売される予定[17]。 歴史初期の改札機(ターンスタイル)1927年の東京地下鉄道(現・東京地下鉄銀座線)の開業初期には、10銭均一運賃制のため、10銭硬貨を投入して回転腕木を回す形のターンスタイルと呼ばれる改札機が設置されていた。この改札機は現在、東京都江戸川区葛西にある地下鉄博物館にレプリカがある。なお、硬貨(またはトークン)を投入して腕木を回すスタイルの自動改札機は古くから欧米に存在しており、現在でもニューヨーク市地下鉄など、またチケットを通して回す方式のものが東京ディズニーランドでみられる。 光学読み取り式改札機の開発1966年には、鑽孔式(穴開け式)の光学読み取り式による自動改札機が開発され、近鉄南大阪線の大阪阿部野橋駅や東京急行電鉄東横線の元住吉駅で試験が行われた。しかし、両社とも本格採用に至らなかった。 同方式の実用的な自動改札機が導入されたのは1967年のことである。京阪神急行電鉄(現・阪急電鉄)千里線の北千里駅で立石電機(現・オムロン)が開発した定期券専用自動改札機で本格的に採用された。しかし、全駅に導入されたわけではなく、また定期券専用であったため導入駅でも普通乗車券用に磁気バーコード式やその他の乗車券用に有人改札との併用であった。 磁気乗車券用改札機の実用化現在の主流である磁気乗車券を使用した自動改札機は、1969年に近畿日本鉄道に試験導入されたものが実用化の端緒である。1971年12月に開業した札幌市営地下鉄南北線では当初から全駅に設置された。 その後、近畿地方では相次いで導入が進められ、1980年代には同地方の大手私鉄・地下鉄のほとんどの駅で自動改札機が導入された。一方、関東地方では1971年に東京急行電鉄が東横線の一部の駅に導入したが、非自動化券を投入されたことにより故障が多発し、結局は撤去されてしまった。この失敗が尾を引き、関東地方の私鉄や地下鉄への導入は関西に比べて大きく遅れ、多くの私鉄・地下鉄では1990年代に導入されることとなった。 日本国有鉄道(国鉄)では、1970年代に国立駅[18]、柏駅、武蔵野線や片町線の一部の駅で試験的に導入された。その後近畿地方に比べて関東地方では本格的には自動改札機は導入されず、本格的な導入は分割・民営化後の1990年代に入ってからようやく始まった。 その要因の一つには、関東地方では他地方出身者が多く、さらに連絡運輸を広範囲に行っていた関係で、その複雑な情報のために自動改札未対応の乗車券を自動改札機に投入した上で、故障させてしまうといった事態が多発したからだとも言われている。[要出典] 現在の導入状況その後、複雑な情報を処理する能力を持ったものが登場したこともあって、関東地方でも自動改札機が当たり前となり、同年代後半からは大都市圏以外の地域や新幹線の駅などでも導入する動きが加速している。 2008年2月現在、鉄道駅に自動改札機が全く設置されていない県は富山県[19]・石川県[20]・福井県[21]・鳥取県・島根県・徳島県・宮崎県を残すのみである。なお愛媛県については私鉄の伊予鉄道のみが導入している。 トラブル自動改札機は機械である以上、故障やトラブルが常につきまとう。機械が故障しておらず正規の乗車券を投入した場合であっても、機械が乗車券の磁気情報やIC情報をうまく読みとれず、フラップドアを閉じてしまうこともしばしばある。例えば、乗車券を折り曲げた場合、濡らした場合、ICカードをかざす時間が短かった場合にはよく起こる。 また、近年ではプリペイドカードやICカードへの対応で自動改札機の機構はきわめて複雑になり、他社線との乗り換えや電子マネーとの共通化など大規模なネットワークを構築するようになってきている。そのため、自動改札機が単体で故障するだけでなく、小さなトラブルでも多数の駅で一斉に自動改札機が動作しなくなるような故障もみられるようになっている。 これらの原因は、主に累積的なバグである。すなわち、巨大システムの割には実はシステムの根幹部分ではプログラムがごく少数者で制作されており、さらに、一部の機械では作動させるまで発見できないバグにより、思わぬ誤作動を起こすことがある[22]。さらにしばしば行われる一部仕様の変更がトラブルの原因になる。また、トラブルの解決も即時の対応が要求されるため、根本的な解決が後回しになりがちである。また根本的な解決を行いたくても、以前のシステムを引きずり難しい部分も多い。 現在も技術現場では数千のバグ報告が累積している。
入場印字機入場印字機(にゅうじょういんじき)とは、乗車券などに旅客の駅構内への入場日時や駅名などを印字する装置である。自動改札機のチェック機能と集札機能を省いたものとも言える。JR西日本の自動券売機設置無人駅や時間帯によって駅員配置が省略される駅に設置されていることが多い。首都圏では自動改札導入以前の帝都高速度交通営団(営団地下鉄)が改札口に設置しており、回数券のみが入場印字機を通していた。 これは、購入した乗車券や既に持っている乗車券(回数券やあらかじめ購入した乗車券)を機械に通すことによって入場日時・駅を刻印するもので、乗車改札の代用とされるものである。原則として駅員が改札に立っていない時は必ず通さなければならないが、故障やインク切れで文字の判別ができないことも多く、通さなかったからといって特に咎められることはない。大型券から小型券まで、通常発売されているほぼすべてのサイズの乗車券に対応している。 なお、設定されている内容を印字することしかできず、乗車券の内容を判読したりチェックしたりすることはできないので、狭義の自動改札機の意味からは多少逸脱するかもしれない。この機械は自動改札機への移行により順次撤去されている。 ヨーロッパに多い信用乗車方式を導入している鉄道には、「チケットキャンセラー」と呼ばれる入場印字機と同じ機能を有する機械が設置されているが、通さないと検札の時に無賃乗車とみなされる。 製造メーカー駅で使用される自動改札機の製造メーカーは、他の駅務機器(自動券売機など)に比較して少ない。日本ではオムロン・東芝・日本信号の3社が製造している。多機能改札機では1台で1千万円を超えるものもある。ジェイアール東日本メカトロニクスのように他のメーカー(オムロンなど)から部材を購入して組み立てのみを行うメーカーもある。一般に空港などで使用される改札機に比べて、駅の自動改札機は使用条件が過酷であり、製造できるメーカーも限られている。 機種
以前は本体の上にセンサー取り付け用の支柱があったが、センサーの改良により支柱が不要となったので、1990年代末期~2000年初頭から各社ともバーレス(小児検知センサーを付ける支柱がない)タイプを開発・投入している。 入出場両用機、入場専用機、出場専用機がある。 また、改札機本体の他、監視盤(駅務室内にあり、改札機の電源ON/OFFや各種の設定を行なう)、架台(改札機を床面に据え付ける土台)、通線(改札機本体への電源供給、データ送受信用ケーブル。通常は床下を通す)等の設備が必要である。 改札機の設置にあたっては、直射日光の当たる場所は避ける必要がある(赤外線人間検知センサの誤作動の原因になる) ODデータODデータのOはOrigin(出発地)DはDestination(目的地)を表し、ODデータとは発駅と着駅の組み合わせごとの利用者数を表すデータである。すなわち、「どこの駅から乗った旅客がどこの駅で下車したか」という資料である。このODデータを手作業でつくることは膨大な手間となり現実的ではない。しかし、改札機を使うことで作成が可能となる。 ただし、ODデータを作るためには改札機からのデータを処理・集計するためのサーバとそのためのソフトウェアが必要であり、それらは高価であるので自動改札を使用している鉄道会社が全てODデータ作成用の設備(ハード・ソフト)を持っているわけではない。したがってODデータを作成していない鉄道会社もある。 自動改札機に関する映画・テレビ番組
画像
脚注
外部リンク
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