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昆虫類(こんちゅうるい)または昆虫(英:Insect)は、節足動物門・汎甲殻類(下門)・六脚亜門 (Hexapoda)・昆虫綱 (Insecta) の総称。広義には六脚亜門全体をいうが、この意味では六脚類・六脚虫ともいう。
概説昆虫類は硬い外骨格をもった節足動物の中でも、特に陸上で進化したグループで、ほとんどの種が陸上で生活し、淡水中に生活するものは若干あるものの、海中で生活する種は例外的である。水中で生活する昆虫は水生昆虫(水棲昆虫)とよばれる。 世界の様々な気候、環境に適応しており、種多様性が非常に高い。現時点で昆虫綱全体で80万種以上が知られている。現在知られている生物種に限れば半分以上は昆虫である[1]。未記載種を含めると100万種を越えるといわれている。 なお種類数の多いグループとしては、以下のようなものがある。
ムシ現代語においては、一般には昆虫類は単に「虫」(むし)と呼ばれることが多いが、ダンゴムシやフナムシなどの用法でわかるとおり、ムシとは本来は動きのある生物全般を意味する。漢字の「虫」(キ、拼音: huǐ)は本来、毒蛇(マムシ)を型取った象形文字であるが、蛇など爬虫類の一部や、両生類、環形動物など、果ては架空の動物である竜までを含めた広い範囲の生物群を指す「蟲」(チュウ、拼音: chóng)の略字として古代から使われている。 特徴昆虫類の特徴を以下にあげる。寄生性昆虫などにはこの例が全く当てはまらないものもいる。 形態詳細は昆虫の構造を参照 成虫の体は、頭部、胸部、腹部の3つに分かれていて、胸部にのみ、足が生えている。節足動物の体は、体節と呼ばれる節(ふし)の繰り返し構造でできているが、体節がいくつかずつセットになり、機能的、構造的にまとまった部分に分かれる。昆虫類以外の節足動物では、明確な部域に分かれないグループや、2つの部位(頭胸部と腹部)に分かれるものなどがある。 基本的に、足が6本ある。 ほとんどの昆虫が2対の翅をもって空を飛ぶことができる。空を飛んだ最初の動物は、昆虫だとされている。昆虫の翅の構造は、グループによって様々に特化し、彼らの生活の幅の広がりに対応している。 生態多くは卵生だが、フタバカゲロウのような卵胎生、アブラムシやツェツェバエのような胎生昆虫もいる。 生育過程で、幼虫が成虫に変化する変態を行う。変態の形式により、幼虫が蛹になってから成虫になる、完全変態をするグループと、幼虫が直接成虫に変わる不完全変態を行うグループ、そして形態がほとんど変化しない無変態を行うグループがある。成虫になるときに翅が発達するが、シミ目など翅の全くない種類も少なからずいる。 詳細は変態#昆虫の変態を参照 多くの昆虫は3℃以上の環境でないと、成長が行われず、冬眠状態となる。また、成虫の場合、一般に-3℃以下、または45℃以上の環境にさらされ続けると死滅する。しかし南極でも昆虫が生息している例がある。虫卵の状態では若干範囲が広くなると考えられる。 紫外線視覚を持つ。解剖学的に昆虫の目には紫外線を感知する細胞がある。このため、たとえば、モンシロチョウなど人の目にはオスとメスの区別がほとんどできない昆虫でも、紫外線の反射率がオスとメスで大きな差があることから、モンシロチョウ自身には両者の視覚上の差は明瞭にみえている。 進化地球の歴史上、陸上に初めて登場した動物が昆虫類を含む触角類であり、脊椎動物門の両生類よりも早い時期であったと考えられている。地上に進出した触角類の一部は昆虫類となった。恐竜の繁栄より前、3億から2億年前には現在のゴキブリやアリ、トンボなどの祖先種が登場しており、陸上で大繁栄した。生活様式、形態は非常にバラエティに富んでおり、様々なニッチに適応している。昆虫類は陸上で最も成功した動物であり、恐竜の時代、恐竜絶滅後の第三紀、そして第四紀の現在まで繁栄は続いている。 最近の話題では、2002年にナナフシに似た外観をもつ昆虫カカトアルキが新目新科新属新種として記載され、マントファスマ目という新しいグループがつくられた。 人間とのかかわり生物世界でもっとも種類の多い動物群であり、何等かのかかわりなしに暮すことが不可能なほどに、あらゆる局面でかかわりを生じる。直接に人間の役にたつものを益虫、害をなすものを害虫と言う(ただし益虫・害虫には昆虫以外の小動物も含まれる)。昆虫採集や飼育は趣味の一分野として有名である。 有益な面益虫も参照 ペットとしての昆虫クワガタムシやカブトムシなどの甲虫類は、鑑賞価値があり、飼育するファンが多く、10万人単位の愛好者がいるといわれる。 日本国では伝統的にスズムシやコオロギが鳴き声を鑑賞するなどの目的で飼育される。中国の北京などではコオロギの格闘を楽しむ風習があり、そのために飼育する。 特別な乾燥耐性を持つネムリユスリカは、教材として乾燥状態で販売される予定である。 食材としての昆虫詳細は昆虫食を参照 今日の日本においては、昆虫食はあまり一般的ではなく、どちらかと言うと下手物料理や珍味として扱われる機会が多い。その中でイナゴ(佃煮)は全国的に食べられていると言ってもよく、ハチ、セミ、ゲンゴロウ、トビケラやカワゲラ(ざざむしの佃煮)、カイコガ、カミキリムシ等も食用とされることがある。信州のハチの子の佃煮のように郷土料理や名物になっている地域もある。 世界的にはタガメやアリ、甲虫などの昆虫の幼虫を食べる文化を持っている国や地域、民族は多い。特に気象条件や地理的な問題で他の食材が手に入りにくい土地の場合、貴重な栄養源となっていることは当然である。 栄養価の面からみると、一般的に昆虫はタンパク質やミネラルを豊富に含むため、人口増加や砂漠化により、将来的に世界規模の食料危機が起こった場合に、繁殖が早い昆虫は重要な食料となるとの見方もある。中国では、セミなどの昆虫およびサソリ等の食用飼育業者がある。 薬材としての昆虫中国の生薬を集めた『本草綱目』には、多種の昆虫が記載されている。一例としてシナゴキブリは、シャチュウ(しゃ虫)の名で、血行改善作用があるとされている。学問的に薬効は必ずしも明らかになっていない例が多いが、他にも薬酒の原料としてスズメバチ、アリ、ゴミムシダマシ、冬虫夏草(実体は真菌)などが使われたり、粉末にして外用薬にされる昆虫もある。 農薬としての昆虫日本の法律(農薬取締法)は、農作物を害する昆虫、ダニ、細菌などの防除に使われる薬剤のみならず、天敵をも一括して農薬と整理した。このため、農薬として登録されている昆虫、クモ、ダニ、ウイルスなどがある。農薬のため、用法、用量、販売にも規制がある。現在日本で登録されている天敵昆虫には、オンシツツヤコバチ、ヨコスジツヤコバチ、タイリクヒメハナカメムシ、ヤマトクサカゲロウ、ナミテントウ、コレマンアブラバチなどがある。 産業用の昆虫歴史的にもっとも広範に利用されている産業用昆虫として、絹糸を生産するためのカイコガがある。柞蚕糸が取れるサクサンも同様に飼育されている。またミツバチ類は、蜂蜜やロイヤルゼリーの採取目的で飼育されている。カイコとミツバチは昆虫でありながら家畜になっているといえる。 農業用としては、天敵農薬以外に、果樹や野菜の受粉を助けるマルハナバチ類やミツバチが使用されている。 この他、海外では染料原料としてのカイガラムシ類も重要。また、釣り餌として累代飼育されているハエや爬虫類の餌として飼育販売されているコオロギなどもある。 装飾用の昆虫タマムシ、チョウ、ガなど、色彩や光沢の鮮やかな昆虫は、工芸品などの装飾材料にも利用される。 モデル生物として小型で扱いやすいものは、モデル生物として重要である。ショウジョウバエなどが遺伝学で、アズキゾウムシなどが個体群生態学で演じた役割は非常に大きい。 法医昆虫学詳細は法医昆虫学を参照 クロバエなどが死体にたかる特性を利用して、アメリカ合衆国などでは、遺体の放置時間を推定することが行われている。 有害な面詳細は害虫を参照 分類位置づけ昆虫を含む六脚類は、甲殻類に近縁で、合わせて汎甲殻類と呼ぶ。甲殻類は側系統だが、六脚類を含め汎甲殻類とすると単系統になる。 六脚亜門の分類昆虫綱以外の六脚類は、顎が体の中にあるなど共通の性質を持つため、内顎類と総称される。内顎類の単系統性には異論もあるが、分子系統学的解析からは単系統性が支持されている。 昆虫綱の大分類昆虫綱の中では、比較的原始的な、羽のない無翅類と、羽を腹側へ畳めない旧翅類がまず分けられる。しかし、無翅類は原始形質でまとめられた側系統だという説が1960年代ごろから有力となり、それを反映した次のような分類が普及しつつある。ただし、有翅「下綱」などの修正された階級はまだ一般的ではない。
旧翅類の単系統性にも疑問が持たれており、カゲロウ目とトンボ目のどちらかが先に分かれた可能性がある。ただし、それを反映した分類はまだ確立していない。 代表的な昆虫のほとんどは新翅類に含まれる。 目レベルの分類†は絶滅目。
脚注
関連項目参考文献
外部リンク
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