ワンクリック契約

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ワンクリック契約(ワンクリックけいやく)とは、ウェブページ上の特定のアダルトや出会い系サイト、勝手に送られた電子メールに記載されているURLなどを1回クリックすると、「ご入会ありがとうございました。」等の文字やウェブページが表示され一方的に契約したことにされて多額の料金の支払を求められることをいう。一般的には「ワンクリック登録」または「ワンクリック詐欺」で知られている。

目次

サイトの特徴

一般的に下記のようなものが多い。

  • 利用規約等の中に「画像や入口などをクリックした時点で利用契約が成立したとみなす」と書かれている。
    • 契約内容が書いてあるページ(規約等のページ)がわかりにくいようにしてあることが多い(悪質な場合は、一方的に「契約」の成立を主張した上で、「契約」後に規約等が表示されるものすらある)。
    • 「電子消費者契約法に基づいた契約」や「ワンクリック詐欺ではない」などの文章を表示し、法令に準拠した正当なサイトであるかのように振舞う事例も複数見受けられる。
  • 勝手に届いた電子メールに記載のURLをクリックすると、一方的に「契約」の成立を主張する。このようなメールはスパムメールの場合が多いのでスパムメール対策ソフト・サービスを利用すると遮断できる場合が多い。スパムメールも参照。
  • 料金の支払い方法のほとんどが銀行振り込みによるもので、そういった振り込み先の口座は、架空口座のことが多い。
  • 料金は一般的に高額なものである上に、期限内に支払わないとさらに高額な延滞料金が加算されたり、法的処置を講ずると書かれている。
  • 振込みの期限を二日以内に指定したり、「今ならキャンペーンで一定期限内の振込みなら料金が○○割引!!」といったふうに振込みを急がせることにより、相手が冷静に物事を考えるすきを与えないようにする、振り込め詐欺の被害者の心理を応用したものが大半である。
  • 最近は、携帯電話の「個体識別番号」やGPSを使った位置情報、「IPアドレス」、契約しているプロバイダといったものを表示し、これにより個人情報を得ることが可能であると主張し、そういった情報に基づいて、債権回収業者に債権譲渡する、期限までに支払いがない場合は裁判所に提訴する、身辺調査をする、住民票を取得する、自宅や勤務先に内容証明郵便の送付、給与や財産の差し押さえ、個人信用情報機関のブラックリストに登録すると記載し、請求するケースが多い。場合によっては争いがあった場合、どこで裁判を行うのかという裁判所を規約等に表示し、法的措置も辞さない等の不安を煽る文言があることが多い。
    • 出会い系サイトアダルトサイトであるため、被害者は自宅や会社への訪問という文言を信じ込み、周囲に知られないようにと慌てて振り込んでしまうことが多い。
    • 環境変数を読み、使用ブラウザやOS等の情報が表示されることも多い。
  • URLの後半にIDやメールアドレスが含まれているものもある。このようなURLをクリックした場合、IDやメールアドレスが相手に伝わって、契約が成立したというメールや料金の請求メールが送られてくる可能性はある。しかし、そういったものが送られてきても、法的には契約が成立したことにならない。
    URLの例: http://oneclick.example.com/hattari/index.html?xxx=kamo@example.co.jp
http://oneclick.example.com/hattari/index.html?aL23KJX8hhe34kgty
  • URLにkamo@example.co.jpというメールアドレスが含まれている例。エンコード(太字部分)されていたり、ランダムなIDの場合もある。なお、上のURLもメールアドレスも実在しない架空のものである。
  • 特に、最近ではNTTドコモの利用者にSMSを送信し、上記のようにURLに電話番号が付加されている場合が大半であり、クリックすると電話番号が相手方に伝わる仕組みになっているので注意が必要である。
  • ActiveXを悪用して、料金支払に関する警告を繰り返し表示させるサイトもある。
  • JavaScriptを用いたアラート、あるいはInternet Explorerのダウンロード画面を模した画像やFlashなどを利用し、「個人情報の取得が完了した」、「課金のためのプログラムをインストールした」などというメッセージを表示させるケースがある。
  • 一般向けの電子掲示板(非アダルト)に、その掲示板の使用目的を無視してアダルトサイト、出会い系サイト、等の宣伝を装い、しつこく(手動ではなく、スクリプトプロクシを使って)送信してくる場合もある。
  • リンク先が一般的なレンタルサービスを利用したブログサイトの場合もあるが、そのブログサイトの内容が全てワンクリック詐欺である場合もある。このようなケースではリンク先からの判断は難しい。
  • 二次的被害として、アクセス時にダウンロードされるスパイウェアにより、メールアドレスが格納されたアドレス帳ファイル等を盗み出し、そのサイトにアクセスしても料金の支払いがない、もしくは支払いが遅れていた場合は、そのメールアドレスに脅しまがいの料金を督促するメールを送信するサイトもある。

犯罪性について

契約の不成立を承知の上で(つまり相手の無知につけこんで騙して)、料金を請求することは詐欺と評価できるので「ワンクリック詐欺」と呼ばれる事例が多い(一般的には「詐欺」の名称で通っている)。しかしながら、詐欺容疑で逮捕された事例は存在するものの未だ件数が少なく、契約自体が不成立である可能性が高く等という言い方に終始している場合が多い。別件として料金の請求の方法や言動によっては、恐喝となる場合もある。請求と恐喝は別問題であるということをしっかり認識すべきものである。

また、組織的に行われた場合は、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」が適用され、詐欺、恐喝などの犯罪については刑法より重い刑が適用される。2005年4月には、同法により逮捕された者や指名手配された者も出ている。さらに同年7月には、ワンクリックのシステム開発を行ったソフト会社の社長らが詐欺容疑で逮捕された。

ツークリック詐欺

最近ではツークリック詐欺スリークリック詐欺フォークリック詐欺、という新しい手口も横行している。

  • 手口はワンクリック目でYes/No形式のポップアップウインドウ(メッセージボックス)を出して、ツークリック目でユーザーがYesを押したときに強制入会させるというものである。ワンクリック契約では電子消費者契約法による契約の無効を主張できるので、ワンクリック目でポップアップを出して契約内容を表示し、電子消費者契約法に基づいた契約であるかのように消費者に思わせ、支払わせるように仕向けている。
  • 対処法は、ほとんどの場合はワンクリック契約と同じく無視することである。ただ場合によっては支払い義務がないとも断言できないので、ワンクリック目のポップアップに「同意しません」もしくは「同意しない」がある場合は、「同意しません」または「同意しない」をクリックすること。
  • それでも強制入会となった場合や、誤って「同意する」や「同意します」を押すなどした場合は、ワンクリック契約と同じく電子消費者契約法による契約の無効を主張できる(#もしクリックしてしまったら(契約の成否について)参照)。
  • もちろん、自分自らがその規約に同意した上で使用したのであれば、双方の同意の上ということになり、支払いの義務が生じる。(こちらはワンクリック詐欺に限らず、一般社会でも同等のことが言える。)
  • また、悪質なウィルスプログラムをダウンロードさせて、「御請求画面」なるものを執拗に表示させるウェブページも存在している。


どのような形態であれ、このようなことを行うウェブページは個人サーバで運営されていることが多く、規約等に不整合があったり法律的な無知を露呈していることが多い。

もしクリックしてしまったら(契約の成否について)

ワンクリック契約においては、法的には契約は成立していない。その理由は以下に説明するが、「契約した」という一方的な表示が出ているに過ぎない。

契約は当事者双方の意思が合致しないと成立しない。
規約等がわかりづらいところにありその規約等に記載された契約内容について確認できない場合、あるいは「ワンクリック」後でしか規約等が出てこない場合は、契約は成立しない。
電子消費者契約法による契約の無効
規約等がわかりやすいところにある場合でも、契約申込みに対する確認処置(契約内容確認のページ等[1])がないので、錯誤(操作ミス)による意思表示(契約申し込み)であったとして、契約の無効を主張できる。最近は分かりにくい「確認のダイアログ」を出して良心を煽るケースが多い。ツークリック詐欺においての規約の場合は、「ポップアップ(Yes/No形式のメッセージボックス)が表示されOKを押すと自動入会となる」とあるが「確認のダイアログ」程度では、エンターキーなどをうっかり押してしまった錯誤(操作ミス)によるYesの意思表示(契約申し込み)になる可能性が高いので、「確認処置」にはならない。むしろ、このような場合は規約が「このサイトはツークリック詐欺だ」と公言しているのと同じである(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律、略称「電子消費者契約法」 第3条による)。

対処法と予防法

ワンクリック詐欺、ツークリック詐欺は、結局クリックしただけで料金を請求されるということは共通しているため、どのサイトも、利用規約がほぼ同じである。

このような詐欺サイトの規約などには、「個体識別番号」、「IPアドレス」などを利用することで身元の特定をし、支払いが遅れた場合は、元に勤務先や自宅などに電話をかける、もしくは利用料金に延滞料を加えて直接料金の徴収に伺う、債権回収業者に委託するといった内容が、ほぼ100%の割合で記述されている。

まず、携帯電話の「個体識別番号」から個人情報を得ることはできず、パソコンの場合は「個体識別番号」自体が存在しない。表示される「個体識別番号」が、実際は単なる乱数や固定値であることもある。また、プロバイダの個人情報漏洩防止の観点から、プロバイダの中で個人情報に係わる人は、ほんの数人であるように配慮がなされていることに加え、そういった人たちにはきちんとした個人情報の管理等の教育が行われているようになっている。

このことから、IPアドレスや契約しているプロバイダが表示されても、まず個人情報が特定されるものではない。プロバイダから個人情報が漏れれば別であるが、そのようなことをするとプロバイダにとって死活問題となり、個人情報保護法違反だと言われる可能性がある。このため基本的にユーザーの個人情報は特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(略称、プロバイダ制限責任法)で定められた事例(警察が令状を持ってプロバイダに捜索要請を出す、など)でなければ情報が開示されることは無い。

それに加え普通の業者なら、いちいち未払いの人の家などに直接で向かうといった行為は、非常に採算性があわない普段なら敬遠されるはずの無駄な行為であるため、よっぽどのことがない限り自宅などにやってくることはまずない(中には債権委託に必要な諸費まで請求すると書かれていることもある)。また、債権委託の業務はごく限られた業者でしか行うことができないように法律で定められており、万が一それに絡んで自宅等にやってきたとしても、相手が嘘をついている場合が考えられるので、まず疑ってかかったほうが無難である。

ワンクリック契約では、はじめから契約の申込みが無効であったり成立しないので、申込みを撤回する必要や契約を解除する必要もない。当然、契約が成立していないので料金を支払う必要もない。また相手に連絡することは、たとえ「契約していない」という旨でも避けるべきである。相手に動揺していると思われたり、個人情報を聞き出される危険があるからである。仮にそうでなくとも、相手の電話がナンバーディスプレイ機能の電話であったために電話番号が相手に知られてしまう事すらありうる。

電話番号を非通知にしていても、専用の機器を使用することでいとも簡単にばれてしまう[要出典]。更に、詐欺にかかりやすい人を書き連ねた名簿である、「カモリスト」に載ることによって、新たな詐欺の被害に遭わされてしまう事もある。

結局、相手の電話番号や、メールアドレスなどの連絡先を着信拒否にするなどして、積極的な無視・放置が適切な対処法である。それでも不安がある場合や、相手から何らかの電子的でない方法で連絡などがあった場合は消費者センターに相談をするとよい。

場合によっては詐欺サイトに繋がるURLを押すと、スパイウェアやコンピュータウイルスなどの不正なプログラムをダウンロードさせ、メールアドレスなどパソコンに入っている個人情報などを抜き取ってしまう悪質なサイトも存在する。そのような場合は、セキュリティソフトをインストールするなどのウィルス・スパイウェア対策が必要である。 尚、メールアドレスの収集手段のひとつにメールアドレス検索ロボットの使用があるため、不用意に自分のメールアドレスを電子掲示板などに書き込まないことが必要である。

同時登録詐欺

関連項目

脚注

  1. ^ 経済産業省:インターネット通販における「意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に係るガイドラインを参考

外部リンク

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